表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/171

第二段階へ

「フローズン・レイジは期待できそうだね」

「常時発動型ってのが、さらにいい」

「でも、実質レイジが噛み合うスキルって、バレット系だけよね、それか水属性の相手」

「レイジがあるなら、土石直撃系で威力の大きいスキルも欲しかったなぁ」

「さすがにシャアリィに、あと20レベル頑張れとは今は言えない」


アイシャは、喜び半分、落胆半分だ。

だが、シャアリィ当人は全然、感覚が違う。


「何言ってんのアイシャ!」

「20だろうが、30だろうが・・・50レベル上げるのも、全然平気だし!」

「それにね、よっく考えてみてよ?」

「ウォーター・ショットの威力を一とした場合、フローズン・ショットは五」

「そうするとフローズン・レイジの発動条件を満たしたストーン・バレットは、平均的なウォーター・ショットの何倍よ?」


そう、単純計算で二十倍だ。

それは属性基本攻撃なんてレベルではなく、九節上級詠唱と同等の威力。

忘れがちだが、普通の魔術師には術式詠唱が必要であり、短縮詠唱の出来る術士は僅か。

魔術師同士の戦闘になった場合、事実上、シャアリィに勝てる魔術師は国中探しても5人もいないだろう。

恐ろしいことに、それが「属性標準攻撃」として使えるのだ。


「シャアリィはすごいな」

「自分のスキルの長所短所をよく把握している」

「私は、何処かまだ末っ子気分が抜け切れてなかったようだ」

「私もまた、まだまだ学びの途中だと思い知らされたよ」


二人は最近、巷では「白銀のアイシャ」「琥珀のシャアリィ」等とも呼ばれ始めていた。

気嫌いされているはずの冒険者を目指す若者も増えたらしい。


勿論、それは良いことだけではない。

真面目に家業を手伝っていればしなかったはずの怪我や、取り返しのつかない事故、特に酷い時には命を落とす者もいる。

そういう若者の親や知人は、ぶつける場所のない怒りや悲しみを抱えることになる。


だが、それが世界だ。


憧れていた仕事につける者や、その仕事で活躍出来る者だって、ほんのひと握りだろう。

だから、憧れはまばゆく尊い。

皆が皆、好きなことが出来るわけではないし、毎日、幸せなわけでもない。

小石に躓いた程度で消えてしまうもので世界は満ちている。


だから、シャアリィもアイシャも、他人のことなんか構っていられない。

というスタンスで生きている。


先日も、ギルドからルーキーの指導を頼まれたが、丁重に断った。

責任を持たなくていい、取らなくていい、と、言われた所で、それ自体がズレている。

責任は感じるもの、責任は負うもの、だから、他人の責任は感じられないし、負えない。


明日から、また、アイシャとシャアリィは迷宮の奥に向かって、二人だけのパーティでこっそりと潜る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ