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ギルド推奨

何処の国でも似たようなものだが、互助組合はある程度を成果を出していることもあり盛んだ。


・冒険者ギルド

・商業ギルド

・職人ギルド

・農業畜産ギルド

・湖沼河川利用者ギルド

・狩猟ギルド

・漁業ギルド


これらはギルドと名が付き、関連する団体が管理しているため比較的上手く機能している。

だが、本来、ギルドでありながら、それらの上位の団体として活動しているものがある。

それを「教会」という。


例えば冒険者登録をする際に、「聖職者」と登録出来るのは実は冒険者ギルドではない。

各国に建てられている教会の中で、最も権威の高い教会が、「聖職者」を任命している。

何故、ギルドという仕組みを作るのかと言えば、個人で責任を負えない、或いは負うべきでないケースもあるからだ。


又、逆の場合もある。

ギルド公認という免罪符があれば、提供する品物やサービスの品質が悪くとも、一定の客足を得ることが出来る。

本来、そのようなことが起きない為に管理、監督をすることこそがギルドというものだが、人間は堕落する。

商業ギルドのように「金銭」という横暴で、非加盟の同業者を圧迫するような嘆かわしい風習を持つものもある。

つまり、ギルドと名乗る団体の中には口だけで何も役に立たない団体が存在しているという事実は広く大衆に知れ渡っているのだ。

それらはギルドマスターの責任だけでなく、利用者、果てには監督すべき領主までもが加担しているものだ。


「商業ギルドに加入」するためには、前金で金貨200枚(2000万円換算)が必要となる。

だが、実際、ギルドメンバーになったからと言って、金貨200枚の補償取引は出来ない。

まず、一年以上在籍し、年会費金貨1枚を支払ってようやく金貨50枚の補償取引が出来るようになる。

それでも大店の商人がギルドに加盟するのは、領主御用達、王族御用達等の肩書が欲しいからだ。


金を持っていれば悪人でも信用されてしまう。

実際に信用出来るのは商人ではなく、その金なのだ。

そして手荒く稼いだ金にモノを言わせ市場を独占したり、管理すべきギルドを買収して横車を押すのだ。


勿論、商業ギルド所属の商人でも、善良な者の方が多いと言って差し支えないだろう。

しかし、貴族や王族への賄賂に絡む商人が多いのもまた事実だ。

それらは商業ギルドに限らず、どんなギルドにも一定数存在する。

産業系のギルドでは産地を始めとした偽装商品、決められた採取量以上の過剰採取、環境整備の放置などが挙げられる。


つまりは「ギルド公認」「ギルド推奨」だとしても何もかもを鵜呑みにするべきではない、ということだ。

また、ギルドに所属しない者たちが、ギルドから迫害を受ける事件もしばしば起きる。

法で定められた事以外では、ギルドに加入する義務はないというのに。


そういった者達は行商人という独自の流通路を持ち、現金商売で格安に良品を流通させている。

賢い商いというのは、言うならばどちらにもどっぷりと浸からないことかもしれない。


シャアリィとアイシャがギルドから紹介された宿屋は、そういう意味では「当たり」だった。

清掃が隅々まで行き届き、愛想も良ければ食事も美味い。

ただ一つだけ欲を言うならば、年若い少女なのだから多少多めに湯の調達が出来れば良かった。


レリットランスに到着してから、宿らしい宿というのは初めてだった。

教会や農家の納屋を借りて寝袋で就寝するほうが多かったのだ。

そこにきてこの柔らかいベッドは最高の贅沢であり、罪深さを感じる程に心地が良い。


「路銀のためとは言え、よく今日まで我慢したよね」


と、アイシャがシャアリィを褒めると、シャアリィは大きく頷きながら答える。


「稼ぎが良くなれば、毎日でも泊まれそうだね」

「宿代も良心的だし、食事も美味しい」


同意しながらもアイシャが、また、小技を教えた。


「これは初回特典のようなものかも知れない」

「私達のような目立つ冒険者が頻繁に泊まれば、彼らの商売も繁盛するだろう?」

「だから当面は、この初回特典を有効に使おう」

「余程酷い宿でもない限り、暫くは違う宿を順番に使うんだ」


シャアリィは、何時もアイシャの抜け目のなさに感服する。


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