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戦利品

ゴブリン・ジェネラル。

危険度は最低ランクの1から数えて三段階目。

但し、それは単体での評価だ。

先程のような複数の群れを率いていたり、軍勢になれば当然危険度は四つ、五つ跳ね上がる。

危険度七を超えれば、一人前と呼ばれるクラス1の冒険者が無事に逃走するのも難しい。

それをまとめて六体、弄ぶように倒すシャアリィの何処がクラス0なのか・・・と。


重い魔物、つまり質量が大きな魔物はそれだけ魔力が循環しているため、得られる魔石も大きい。

ジェネラルの魔石ならば、アーシアンの銀貨で100枚(10万円相当)は下らないだろう。

それが六個ともなればペアパーティの一日の稼ぎにすれば多過ぎるが、さらに副収入がある。


それはジェネラルが好んで身につけている装飾品だ。

元々、冒険者の遺体から奪ったものであるため、それなりに価値が高い装飾品も多く見つかる。

銀、金などの腕輪は指輪や耳飾りになっていることも多い。

腹を開けば、宝石付きの指輪がごろごろ出てくることもある。


装備品に関しては、手入れという思慮に欠けているため使い物にならない。

だが、場違いに大振りな刀剣ならば鋳潰して新しく剣を作る材料にはなるだろう。

武器屋で買えば金貨1枚もするような剣でも、材料持ち込みならば半額で作れる。

運び出すのに一苦労する羽目になるが。


シャアリィとアイシャは、宝石の類、魔石、或いはそれに相当するレアなもの以外は放置する。

宿に帰るまでが冒険であり、帰路の途中で身体が重いなどというのは論外だからだ。

動物系ならば食肉に出来るものもあるが、レリットランス迷宮内には少ない。


「予想外の大物も狩れたし、今日は引き上げましょう」


アイシャが提案する。

不燃カンテラの魔石は、まだ八割以上残っているが戦利品が多過ぎる。

目的はあくまでレベルアップだが、これだけ稼いでしまうと精神的にもだらけが出るのだ。

それに連日の訓練で、ここ数日はゆっくり休息を取っていない。


「そうだね」

「ジェネラル六体仕留めたことで私のレベルも二つ上がってるし」

「今日はツイてた」

「ツイてるうちに帰ろう!」


フローズン・ドラゴンのせいでお釈迦になったマジックローブを買おう、とか。

明日を休みにして帰ったら宿屋で酒浸りになろう、とか。

そんな他愛ない話をしている最中でも、気は抜けない。

迷宮に巣食う敵は魔物だけとは限らないのだ。


「ルーキーキラー」や「遺体漁り」、社会には捨てられないものを迷宮に捨てにくる輩。

堂々と盗賊団を名乗っている者達が迷宮の一部に潜んでいることもある。

そこに景気の良い話をしている少女二人が眼の前を通ったら、間違いなく襲い掛かるだろう。

但し、この場合、獲物になるのは襲われた少女のほうではないのだが。


冒険者同士の戦闘はご法度とは言うものの、諍いのあるパーティ同士ではあり得る話。

綺麗事だけでは済まない世界。


シャアリィの「ツイてるうちに帰ろう」というのは、冒険者の間では隠語に使われる。

私達は大物を倒すだけの力がある、それでも掛かってくるなら報復も辞さないという意味だ。

ここがアーシアンならば、シャアリィやアイシャに手を出すような輩はいまい。


だが、今歩いているのはレリットランス迷宮だ。

此処では二人は新参者で、今日みたいに稼いだ日には酒場でベテラン達に酒を振る舞い、顔を売る方がいい。

出入り禁止にならない程度に、暴れてみるのも一つの方法だ。

固定パーティで冒険をする者は、他のパーティとの関係が薄くなりがちであり、だからこそ、稼いだ日にはある程度金を使う必要があるのだ。


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