表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
155/171

アイシャの記憶

適当過ぎる程適当に、目についた宿に転がり込む。


「シャアリィ、怒っているの?」


確かに怒っている・・・誰に?

その解答に該当する者は少ない。

先程の遣り取りか、アイシャか、それとも自分か、だ。

そして、それは今まで共に戦ってきた相棒への怒りだと、シャアリィはぶち撒けた。


「アイシャ、アーシアンから、ここまで、どんな気持ちで来たのか、話して欲しい」

「もし、私の想像が間違っているなら、間違っているって言って欲しい」

「アイシャは、ザグレブホーンの迷宮探索のこと、上の空じゃない」

「何か理由があるなら教えて」


既に信頼関係は瓦解しかかっている。

このまま、この状態で迷宮に挑めば、些細な見落としで死ぬことになるだろう。

アイシャは、それにも気付いていないのか?

シャアリィは、こんな問い詰めるような物言いを自分がしていること自体に腹が立つ。


「そうね・・・言わなくちゃいけなかった」

「アーシアンでシャアリィに出会った日の事を考えたんだ」

「私たちのパーティーが何故、フローズン・ドラゴンと会敵したか、今でも腑に落ちない」


アイシャは自分の記憶から抜け落ちているものを、ずっと、考えていたのだ。


「まるで、アレが私たちを最初から探していたかのような、そういう違和感」

「わかりやすく言えば、誰かに私たちのパーティは嵌められたとしか思えない」

「でも、その根拠となるものが、記憶をどれだけ探しても見つからない」


アイシャの中でずっと燻っていたものがあるなんて、シャアリィにはわからなかった。

わかるはずもない。

ただの一度も、そんなことを聞いたことがないのだから。


「その答えは何をすれば見つかる、と、思う?」

「その答えは必要?」

「その答えがあったら、何が変わるの?」

「怒ってるかって?怒ってるよ」

「こんな北の外れの迷宮で、他に誰も知らない場所で、お互いひとりぼっち」

「今更・・・」


シャアリィに言われて初めて気付く。


「私は・・・死んだひとよりも価値がない・・・」

「そういう意味なんだよ」

「暫く、別々に行動したほうがいいかも・・・ね」


そう言って、シャアリィは宿を飛び出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ