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問いと答え

最初に声をあげたのは、意外にも『彫像』だった。


「久しいな少女よ」

「待ち焦がれていたぞ」

「あれから、少し後悔していたのだ」

「此処に来た誰よりも、お前が一番強かったのに戦わず逃したことをな」


アイシャは、それに答える。


「私達は自分の器というものを心得ている」

「そして、今、こうして、武を示しに来た」

「せっかくだ、殺り合う前に問答をしないか」

「ずっと退屈していたのだろう?」


『彫像』は、応ともと快く受け、不意打ちをしないと示すように持っていた片手剣を床に突き刺した。

シャアリィが、問いを投げ掛ける。


「何故、此処にいる?」


手短であり、全てを含むような問いに『彫像』は、


「戦い、破れ、まだ足りないと願い、それを叶えると言われ、叶ったからだ」


では、こちらからも、と、『彫像』が問う。


「白き少女よ、お前は私に勝てると思うか?」

「琥珀の少女よ、お前は私と同類か?」


アイシャは答える。


「ああ、勝算がなければ大人しくしていたとも」


シャアリィも答える。


「似たようなモノだけれど、決定的な違いもある」

「今の私は戦いだけが全てではない」


ほう、と、感慨深い吐息を『彫像』が零す。

アイシャが問う。


「願うものは他にないのか?」


『彫像』は、天井を眺めながら少し考え、自嘲混じりに吐き捨てる。


「戦い以外には何もない・・・強いていうならば、今度こそ死の安息をこの身に」

「まぁ、無理な願いではあるな」


シャアリィが問いを終わらせる。


「くれてやろう」

「この名を魂に刻め、根源転換術師シャアリィ・スノウ、だ」


アイシャが獰猛な笑みを浮かべ、倣う。


「白毛獅子アイシャ・セロニアス」

「さぁ、楽しい殺し合いの時間だ」


床に刺した片手剣を『彫像』が引き抜くのと、アイシャが鵺斬を抜き放つのは同時。

シャアリィは、横っ面を狙うべく右に奔り、アイシャは正面から来る『彫像』の突きを左に躱す。


「面白い!」


聞こえてきた遣り取りに、エドワードは正気を保つのも必死だった。


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