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混成パーティ

やがてゴブリン達は動き出した。

遠目からは詳細な部分までは見えないが、明らかに統率された集団であり、役割分担も見受けられる。

一度、仲間の死体の所で止まり、斥候の死因を検分しているようだ。

矢の長さや毒の有無、矢羽の特性などを調べている様は、まるで人間がとる行動と変わらない。

鳥の羽で飾った冠を被ったシャーマンらしき個体は、後ろにいる一際大きな個体に何らかの報告をしたようだ。

その他にもう一体、顔に呪術的な文様を入れた個体が見えた。

手に持つ杖のような道具から、メイジだと思われる。


「ちょっと厄介な相手だな」

「シャアリィの意見を聞こうか」


小声でアイシャが、シャアリィに告げる。

こちらの戦力は二人。

相手は少なくとも十体以上が確認出来た。

人間の勝手な分類分けだが、シャーマン一、メイジ一を統率するジェネラル一、そして数合わせに連れてきたであろう小さな裸同然の個体群。


厄介であると同時に、これはシャアリィにとってはまたとない成長の機会でもある。

そう判断したアイシャは、シャアリィに作戦立案をさせた。


「私なら、まず、先に仕留めるのは間違いなくシャーマン、次にメイジ」

「それを成し仰せたならば、個体群を手早く一掃してからジェネラルを狙う」


正解だ。

シャアリィの回答は、アイシャの考えと相違ない。

ただ、未知数なのはジェネラルの介入だ。

ジェネラルがシャーマンやメイジを守るために動くのか、それともそれらを盾にしてこちらを攻撃してくるのか。

そこは臨機応変だろう。


「常にジェネラルの位置だけは把握しよう」

「シャアリィはメイジに先制、私は同じくシャーマンに先制、同時で行こう」

「ジェネラルが自ら来るのか、子分を囮に使うのかで立ち回りは変わるが、大まかな優先順位に変化はない」


するすると地面の凹凸を利用してアイシャとシャアリィは二手に分かれる。

そして、開始の合図はなく、アイシャの弩弓攻撃と同時にシャアリィも動く。


二人共一撃での絶命は狙わない。

あくまで初撃は確実な戦力低下のために命中を優先させたボディショットだ。


「シッ」


アイシャの放った矢がシャーマンの鳩尾に深く突き刺さった。

同時にシャアリィのアイス・ランスがメイジの下腹部に命中する。


ジェネラルは、ダメージを追った二匹を見比べて一瞬だけ考えると、子分に何かの命令を叫んだ。

子分たちは、シャーマンも、メイジも構うことなく攻撃の出所への突撃。

ジェネラルは、シャーマン達を見捨てたのだ。

そして、ジェネラルは子分の突撃を見届けると自分は迷宮の奥へと遁走した。


シャアリィたちにすれば最も理想的な展開だ。

シャーマンも、メイジも、戦闘を継続出来る状況にはない。

その上で、他の弱小個体が数頼みの特攻ならば、あとは落ち着いて各個撃破するのみだ。


片刃剣に持ち替えたアイシャが、次々と小個体を斬り伏せる。

その一撃一撃は、全て敵を戦闘不能にするだけの役目を果たしている。

結果的な絶命であれば尚良い。


乱戦では兎に角、敵の防御力、戦闘力、戦闘継続意思を奪うことが優先される。

ここ数週間でそれを叩き込まれたシャアリィも同様に、魔法、短剣、手短なモノで手短な敵に絶え間なく攻撃を浴びせる。

二人の修羅が倒したのは、結局十六匹のゴブリンの混成パーティだった。

しかし、そこに肝心のジェネラルの姿はない。


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