襲撃者の正体
陽が昇り、昨夜の襲撃者の正体が露呈する。
やはり、その見掛けは農夫としか思えない連中だった。
十二名・・・既に息絶えた者や、瀕死の者もいるが、生存している者の方が多い。
襲撃者全員を集めて、アイシャとシャアリィによる尋問が始まった。
「結局、お前たちの正体、否、普段は何をしている?」
最大の疑問をアイシャが率直にぶつけると、頭目と思われる男が取引を持ちかけてきた。
「話が面白かったら、生きてる奴を見逃してくれるっていうなら話す」
シャアリィが鼻で笑って、
「喋らせた後で、殺しちゃうかもよ?」
と、死にそうな男を選んで、その頭を軽く蹴飛ばす。
こういう時のシャアリィは容赦が微塵も感じられない。
アイシャは無駄な殺戮をするつもりはないが、既にこちらも三人殺され、一人壊れた以上、無事で済ますつもりもない。
「その提案が叶う場面は、もう、二度と来ない」
「正体を知った所で得はないし、お前たちも話した所で得るものはない」
「少し興味があるだけなんだ」
「これだけ統率が取れていて、殺し慣れてるなら、襲う側じゃなくて、守る側をする方が良かっただろう?」
「その選択が出来なかった理由、或いはしなかった理由」
「それ以外は全部、私達の勝手な想像で埋められる」
シャアリィが既に絶命している男の身体に、「腐れ」と、コラプションを発動させた。
「次は誰が土に還る番?」
「あ・・・そうだ!」
「アイシャの質問に答えるなら、死ぬ前に酒を飲める権利で、どう?」
シャアリィの提案に乗ったのは、頭目ではなく、別の男だった。
「普段は真面目に農夫をしている」
「数ヶ月に一度、こうして集まって狩りをするんだ・・・趣味と実益を兼ねた狩りだ」
「俺達は元は傭兵だったが、戦争が終わって仕事に食い逸れた」
「運良くウィトプラナの開墾作業に潜り込んで、それなりの暮らしも手に入った」
「あの街は退屈過ぎる・・・だが、安定した暮らしがある」
「その隙間を埋めるのが狩り、稀にだが女も抱ける最高の遊びだった」
答え合わせが終わると、シャアリィが商人から酒瓶を二本貰ってきた。
頭目は、シャアリィに礼を言って酒瓶を受け取った。
「俺達は殺しを止められない屑だから、遅かれ早かれ、こうなるはずだった」
「本当に酒をくれるなんて、あんたは天使か?御使いか?」
呆れたね、と、殺人者達は笑った。
シャアリィも、それに混じって笑う。
「あはは、偽善は好きだよ」
「気分がよくなるし、相手も喜ぶ」
「最後の酒だ、みんなで味わって楽しむといい」
その後は・・・




