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逃げた護衛達

被害を受けなかった車両から人手が集まって、破損車両の撤去と被害の確認が始まった。

目の前ではアイシャに足を折られた盗賊達が成す術もなく、痛みに呻いている。

必要以上に騒ぐなら、今度は腕を千切るか喉を潰す、アイシャに宣言されたからだ。


シャアリィに蹴散らされた盗賊の生き残りは、瀕死に近い状態。

日暮れまで生き延びる者は一人もいないだろう。


そこに現れたのが、逃亡した護衛の冒険者達だ。

全滅しているはずのキャラバンの大半が被害を受けていないことに驚嘆し、踵を返そうとした。

シャアリィとアイシャが、それを見逃すわけもなく・・・


「何をしに戻ってきた?」

「乗客の中に腕のいい冒険者がいたから、あなたたちの出番はなくなった」

「まさか、逃亡しておいて、その上、遺品漁りにでも来たのか?」


アイシャが嘲るように吐き捨てる。


「いや、生存者がいたら助けが必要になるかもと思って・・・ね」

「一度は数にビビって逃げたけれど、引き返してきたんだ」


それが嘘であることぐらい、少し考えればバレるというのに。

護衛達は手伝いを申し出て、あわよくばキャラバンに合流するつもりでいる。


「盗賊団が壊滅してて驚いただろう?」

「手筈通りに事が進まなくて残念だったね」

「頭目から駄賃は貰えなくなったよ」


アイシャが護衛達の退路を塞ぐ。


「逃げるつもりなら、やめたほうがいい」

「ここには盗賊団をボロボロにできるような者がいる」

「自分達のしたことに罪を感じるならば、大人しく捕縛されて沙汰を受けろ」


護衛のリーダーらしき男が、大きな舌打ちをして腰の鞘から剣を抜く。


「飛べ」


剣を握った手首を、シャアリィがストーン・バレットで撃ち抜く。

その早業に残りの護衛達が狼狽える。


「わかった、言う通りにする」

「撃つな、撃たないでくれ」


シャアリィは笑顔で指先を護衛達に向ける。


「嫌よ?」

「死なない程度には撃たれるに決まってるじゃん」

「馬鹿なの?」


その言葉通り、アイス・ショットや、ウォーターアローを次々と放つ。

即死にならないように、手足や肩だけを狙う。


「このまま放置するか、それとも回収して衛兵に突き出すか」

「それはキャラバンの人たちに決めてもらうよ」


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