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勘のいいガキは

「一応、私も大聖人の家系・・・教皇の血縁者ってことだよ」

「ジョルジアット・フランシスコ、それが私の名前」


シャアリィとアイシャは、揃って口を開けたまま沈黙した。


「おいおい、辛気臭い顔すんなって」

「私達は共犯者だっつの、はい、笑って、笑って」

「今更、教会に君たちだけ突き出せるわけねーでしょう」

「で、なんで私に迷宮のこと聞いたわけ?」

「ソボクナギモン、っていうだけ?」


アイシャが答える。


「我々は、聖職者に必要な闇の魔石を増殖させるためのプランテーションかと」

「だが、それでは魔石は増えるどころ、迷宮の魔力も減ってしまう」

「それをどのように補っているか、という疑問は解決出来ていないな、と」


フランコは、そういうことね、と。


「ここの土地ってさ、昔はもっと何処でも草原に囲まれてて、豊かだったんだと」

「でも、バルザックガルドとの戦争で焼け野原と死体だけが残った」

「使えるものを使うしかない・・・」

「おや、これは結構使えるぞ・・・なんてね」

「ここで私が悪の一味なら、こう言うんだろう?」

「『勘のいいガキは嫌いだよ』とかね」


残念だけど、その台詞は言わない。

と、フランコはケラケラ笑う。


「その役目を担ってきたのが、クラーケンやカジノの用心棒たちだ」

「君たちは、それに気付いて、見事に回避」


・・・


「冒険者同士をぶつけ合い競わせる」

「生き残った方は用心棒稼業に取り込んで、負ければ迷宮の燃料、だ」

「冒険者は精霊を集めるし、一般人よりも遥かに良く『燃える』」


答え合わせを終えて、シャアリィとアイシャは何を考えたのか。


「フランコ、そこまで全部喋ってしまって良いのか?」

「黒猫姉妹の時のように、私達が『正義』とやらのためにお前の敵になるとは考えないのか?」

「或いはシャアリィの得体の知れない感情の何処かに引火するかも知れんぞ?」


アイシャが目を細めて、慎重な言葉で相手を追い詰める。

シャアリィは、アイシャの思惑を計り切れない。


「ない」

「ないね、それはない」

「私がレリットランスに同行した意味さえも、君たちはわかっているはずだ」


さすが教皇の血縁者ということだろう。

フランコは既に縦横無尽の搦手(からめて)を用意している。

それは本当に教会を敵に回すことを意味する。


アイシャは両手を挙げて、降参の合図をする。

シャアリィは、まぁ、この三人が揉めなくてよかった、と、だけ理解した。


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