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4 ダジュール国

ダジュール国の国境警備隊は何事も無いように、森から現れた馬車に驚いた。

後部から身なりの良い、いかにも貴族様と言う男が出て来て警戒する。

若い隊員は一斉に筒状の物を前出し構え警戒する。

(あれが光剣か?あの映画のライトセーバーより細いな)

その奥から年配の男が現れた。ここの責任者であろう。

「お名前よろしいですかな?」


「うむ、セバス!」

「はっ!ただいま」

セバスが俺の前に立つ。

「こちらコート国・第三王子コキーユ・ナガト様だ。ダジュール国シエル侯爵長女レイヤ様との婚約の為参った故、罷り通るがよろしいか?」


「むっ、それは・・・悪いがそのまま信じる訳にはいかん、話も聞いておらんしそもそも何故、供も連れずこんな道から国入りする?全く合点がいかん」


「命を狙われていたから敵の裏をかいただけだ、ここにこのまま滞在する故、侯爵に問い合わせるが良い」


「それはありがたいが・・・それはそれで本物だった場合無礼打ちになりかねん」


「ん?職務なのだから無礼にはならないだろ?我の勝手でこうなっている気にするな」


「はぁ?」


「セバスお前は侯爵家の者なのだから任せたぞ!」

「!?・・・承知致しました」

(気付いておったか!不覚じゃ!)



◾️◾️◾️◾️


馬車を寝ぐらにした結構快適なキャンプ生活が始まった。

釣竿があるので川に行き石の裏から川虫を取り餌にする。

ミャク釣りの要領で薄紫色の魚が釣れた。パーマークがあるのでサケ科なのか?

「セバス、コレは食えるのか?」

「それは珍しい超高級魚のアムゴですよ!なかなか釣れ無いので高く売れます」


左で魚を持ち右手のナイフのポイントで、魚の肛門から上に裂き内蔵と血合のエラを取り塩を振って生臭さを取る。

木の枝を尖らせ魚を通し、焚き火に持って行き遠火で焼く。


炊けた米に骨を抜いた身をほぐす。

骨はフライパンで揚げた。

自分とセバスの分をよそって、物欲しそうにしている兵士に与えるように命じる。

「よろしいのですか?これ本当に希少で高級な魚ですよ?」

「また、釣ればいい」

「それはそうですが・・・」

「構わない」

「はぁ・・・」

(何か(まとう)う雰囲気が変わったか?逆らえない圧があるか?)


◾️◾️◾️◾️


朝起きると馬車の外に洗った鍋が置いてあった。

美味しく頂きましたと言う事で何よりだ。

ジャーキーをお湯でふやかして食べていると侯爵から確認が取れたと連絡が来た。

馬車に乗り込みダジュール国に入国した。

「セバスこれで暗殺は無くなるか?」

「さてどうでしょう?」

(何人かダジュール暗部が付いたようだな・・・)


「まぁいい、でシエル侯爵は何と言っている?」

「谷の里に御案内致します」

「ほう、やはり婿にする気は無いと言う事か、まぁ悪評は他国にも届いているだろうしな」

「決してそのような事はございません」

「まぁ良い、暗部の隠れ里も見てみたいしな」

「!?・・・恐れ入ります」

(この男どこまで知っている)


里までは5日ほどかかるらしい。セバスに路銀を預ける。

「旦那様お怪我の方は如何ですか」

「そう言えば?治ったかな?」

「あの傷がですか?」

「だよなぁ、でも治ってるな・・・」

(森で襲われ無かったのも、傷の治りが早いのも、ゆうこりんの加護の様な気がする)


俺は馬車の後ろを開け腰掛け、国境警備隊からもらった棒を削り木刀を作る。大型ハンマーの予備柄をもらったのでほぼ形は整っており2日程で木刀になった。

後は薪用の丸太を削り円空仏を作った。

仕事で滋賀に住んでいた時に円空仏を作る教室があり、2年ほど通いプロの仏像彫刻家に手ほどきを受けていた。

自分で言うのも何だがなかなかの腕前だと思う。


(そう言えばゆうこりんから像を作るように言われてたな)











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