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32 起りを捉える

バッシュとレイヤにその他の技も教える事にした。

バッシュの剣のみねを上からグッっと押さえる。そうすると自然と下に押されない様に踏ん張るので、そこで剣を絡めると同時に上に剣を巻き上げると、バッシュの手から剣が離れ回転して飛んで行った。


「何それ!」

「うぉーーー!すげえ!」



次は刀を置き体術の稽古をする。

立ちあがろうとするレイヤの頭を斜め前方から抑えると、レイヤは立ち上がることが出来ずに驚いた顔をしている。

力技で立ちあがろうとしたので、そのまま前方に投げると簡単に転がった。

人は立ち上がる前に予備動作として、前に体術を掛けるのだ。そこのポイントを押さえると立てなくなるのだ。


自転車のハンドルを固定すると漕ぎ出す事が出来ない。漕ぎ出す時にバランスを取るために左右に微妙にハンドルを切って居るのだ。そこが固定されてしまうとバランスが取れないのだ。

実はこんな感じて人は予備動作という事を結構無意識レベルでやっている。

居合の予備動作は鯉口を切る事だがコレを封じられるとスムーズな抜刀は出来ない。

予備動作を封じられると結構終了する。

動作の起こりを捉えられらようになれば最強である。



立ちあがろうとしたところでまた頭を抑え、今度は後ろに踏ん張ったので前に転がした。

レイヤは床から立ち上がれないままギブアップした。


次はバッシュだ。

突っ込んできたので技を掛ける。

バッシュはレイヤより動作も大きく、とにかく力技で来るのでもっと捌きやすい。


レイヤより転がりまくっている。

起きる事が全く出来ない。

最後は立ち上がって油断した所を、巴投げで投げた。

唖然としていた。



理屈を説明してやると直ぐに理解をした。

「理解はしたけどそんな事出来ないぞ!」

「そうよそれ無理よ!技の途中で考えちゃうもん!」


「その為の稽古だ、繰り返し稽古して身体に覚えさせるんだよ。あとは予備動作の起こりを捉える訓練も必要。あとは反射能力も鍛えなきゃダメだよ!」

(向こうの世界なら、信号機が青に変わった瞬間を捉えて歩くとか出来るんだけどな、結構反射力が鍛えられるんだけどな)


「バッシュとか身体能力の高い人は注意してほしいんだけど、反射・反応力だけに頼ってはいけないよ、ほとんど反射で対応は出来るけどそれ以上は上達しないからね。起こりを捉え反応するんだよ。」


「何とも深い・・・」

「難しいわね・・・」


◾️◾️◾️◾️


数日後、メインウェポンが出来た。

天正拵にしてある。

俺は黒で工藤さんは茶だ。


「どうだ傑作だぞ!自画自賛だがな!」


「かなり良さそうだな」

「そうですね、何か詰まった感じがあります。」

「面白い表現だな、まあ切れる刀特有の感じはするね」


「何だ?反応が薄いな?」

「使ってみないとな・・・」

「まぁそりゃそうだ」



試斬の稽古をする者を「斬り屋」などと呼ぶ事がある。これは形稽古のみを重んじ、武士の魂でもある刀でホイホイ試し切りなどもってのほか!っと言う人達が試斬をやる人を蔑む呼び名でもある。


形稽古ももちろん大事である。最重要項だが形稽古ばかりだと切れない人もいる。正しく理解して形稽古する人は問題なく最初から切れるのだが、世の中そう言う人ばかりでは無い、だいたい7割ぐらいの人は切れない。

切るイメージがつかないらしい。


そもそも切ると言う意識で稽古をしていないのが分かる。

まぁしょうがないのだが・・・

そこで手っ取り早くイメージを付けるのが試し切りである。


この稽古で色々な刀を使っていると、切れる刀、切れない刀、切れる刃付け・硬い刀、柔らかい刀、弾力がある刀、など色々分かってくる。


そうすると面白い事に五箇伝など知らなくても、何となく自然と丈夫で切れる刀を高い確率で選ぶ用になったりする。

人間の適応力や感性は素晴らしく、武器として優れた物を選ぼうとするのだ。



「ギム、大丈夫だと思うぞ」

「思いっきり使わせてもらいますね」

「おぅ!帰ったら感想を聞かせてくれ!」


「さて、では明日出発しますか!」

『はい!』


この日は早くに解散し旅の準備に入った。






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