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30 試斬

体の運用が上手くなってきたので、剣に戻し丸めたゴサを切る事にした。

ゴサを2枚キツく巻き3日水の中に着けて置いた物だ。

それを立て一刀一足の間合いから進み切らせる。


スカッ!


2人共空振りする。

光剣だと大雑把に伸ばして切って居る為に、間合いが掴めて居ないのだ。

しょうがないから剣をゴサなら一度当て、間合いを確認してからその場で振りかぶって切る。

2人共何とか切れた。

「刀が届いて切れる位置って意外と近いな」

「かなり近いよね。だから近寄って隙があれば、蹴りを入れたり殴ったりしても良いよ」

「ナイフで切ったりとか?」

「暗器使ってもいいし投げてても良いし。戦闘なのだから何でも有りだよ」

「やられたら終わりだしな」


このゴサも再生するのでどんどん切ってみる。

基本なので剣を振る先の軌道上に足を置かないように注意をする。例えば、右手上から斜めに切り下ろす時には左足を後ろに引く。同じ要領で袈裟・水平・切り上げ・・・と稽古をする。


しばらく集中して稽古し、2時間ほどで2人共集中力が切れてきたので休憩にする。

「ナガトやってみてよ!」

2人にねだられる。

「しょうがないなぁ・・・」

ゴサに剣を当て振りかぶらないで、そのまま手の内の冴えと体の運用で切り落とす。


「えっ!」

「なっ、何!?」


横のゴサに歩いて行き左側脇構えをとる。

「ムッ!」


ゴサの下を切る。

切った上が落ちる前に切り上げてた剣を回し下ろし、もう一度切り上げる。

2つになって落ちるゴザの一番上を燕返しに返した剣で水平に切ると落ちて行くゴザが3つになった。


ゴザの下を切り、落ちる前に空中で2回切った事になる。




「はぁ!?、今の何!」

「なに!何なのそれ!」


2人はびっくりしてお茶をこぼしている・・・

「恐ろしいわね・・・」

「うん、実剣は奥が深い・・・」

「イメージが大事だよ。剣が正しい角度で入ってそのままの角度で抜ける。刃筋と刃並(刃波)だね。あとは対象の物体が切れるだけの力が剣に乗っているか?

それだけだよ」


「そう言うけどなかなかねぇ・・・」

「稽古を積むのが手っ取り早いね、イメージを形にして反復練習で身体に叩き込む」

「それしか無いよなぁ」

「あぁ」


◾️◾️◾️◾️


「リリスちゃんどお?」

「たっ、楽しいです!とっても楽しいですぅ!」

リリスは工藤さんの奥様の紡さんに料理を教わっている。

俺が揚げ物を教えただけで大ブレイクするぐらいの食レベルなのだ。

あらゆる国の料理からデザートまでこなす紡ぎさん(向こうでは料理研究家)は、こっちの料理の世界に革命を起こし食の賢者と呼ばれるであろう。


紡さんとリリスは作った料理を俺たちとギムに食べさせてくれる。

そんなことで紡さんとリリスにギムの銘が入った片刃のアジ刺し包丁と、少し小さ目の万能に使える牛刀をギムからもらった。


2人のテンションは上がり、ノリノリマックス状態となっている。

リリスははっきり言わないが教会の仕事がつまらなかったのであろう。


稽古が終わって家に帰ると、今日の料理の話を楽しそうに話してくれる。

「谷の生活は大丈夫そうか?」

「他に引越したく無いです!紡お姉さんもいるし楽しいです」

馴染んで居るようで何よりだ。


「はい、どうぞ!」

「おっ、これはほうとう!」

「なんか、ホッとする味ですよねー!レイヤ達の所とギムさんの所にも持って行ったんですよー!とても喜ばれました!」

(向こうの食事が取れるようになったのは、本当にありがたいな)


食後にお茶を飲み、お風呂にした。

こっちの女性の仕事は自動化していないので大変だ。

(洗濯機は早急に開発に着手しよう)


リリスに背中を流してもらい湯船にゆっくりつかる。

「うぇぇーー」

湯船に入ると思わず声が出る。疲れが湯に溶けて行くようだ。


ここ最近はリリスがいるのが当たり前になった。

工藤さんの所は元々夫婦なので、紡さんが来たその日から「ああ、この2人は夫婦何だな」っとわかる熟練度?だった。

バッシュとレイヤもやはり夫婦なので阿吽の呼吸がある。

2組の夫婦程では無いが、リリスとパートナー感は出てきたなっと実感している。







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