27 降臨
聖女リリスはうつむき、真っ赤な顔をして涙を堪えている。
「何か言ってみろ!お前は偽聖女なのか?」
「ち、違います!」
「はぁ?容疑者の癖に生意気な!」
「ちょっと待て教皇!」
リリスと教皇の間に割って入り、リリスの手を握る。
リリスは驚き顔をあげる。
「リリス、大丈夫だ」
リリスは下を向き恥ずかしそうにうなづいた。
「何っ!こっ、この私にちょっと待てだと!無礼者!貴様も偽者であろう!」
「黙れたかだか教皇の分際で!」
「ななななな、何だと!貴様は我々女神の家来とも言える教会に何という無礼!その教会でもトップの教皇のわしなど女神様の使徒とも言えるのだぞ!」
「じゃあ直接聞いて良いか?」
「何をじゃ?」
「ゆうこりん様、御降臨お願い致します!」
辺り一面が金色に光り、花びらが舞う。
花びらが地に落ちた中央に、うっすら金色か輝くゆうこりん様が姿を現した。
「あら、ロベル王とアイシャ王妃久しぶりね。ロベルは歳を取ったわね」
ゆうこりん様の足元に王と王妃が跪いた。
「はい、即位依頼でごさいます」
「再びお目にかかれ、至高の喜びでごさいます」
それを見た周りの者も急いて跪づく。
教皇も太った身体を縮こませ跪づいた。
だが、俺と工藤さんはそのまま立っている。
「女神様の御前である無礼であろう!礼儀も知らん田舎者なのか!」
教皇が俺と工藤さんに怒鳴る。
「あなたうるさいわよ!クドーは私がお願いして来てもらったのよ!久しぶりクドー、こっちの生活はどう?」
「お久しぶりです。おかげ様で穏やかに楽しく過ごさせて頂いていますよ」
「あっ、そうそう奥さんの紡も見つかって再生してるわよ。クドーが谷に帰ったら家に送るわね」
「!?、それは良かったです。ありがとうございます」
「クドーより傷みあったから時間掛かってごめんね。でもね美人に治しといたわよ!年齢も同じぐらいに若返りしといたからね」
「あはは、それは惚れなおしてしまいますな」
「楽しみにしててよ!」
「工藤さん良かったですね!」
「うん、とても気がかりだったからね」
「で?ナガト何の用事?」
「こいつが使徒って言ってるぞ?」
「はぁぁ?たかが教皇程度で使徒とは馬鹿なの?いい、よぉーく聞きなさい!私の使徒はこのサエグサ・ナガトだけなのよ!」
『!!』
部屋に静寂が訪れる。みな絶句している。
「なるほど、召喚者では無いとはそう言う事か」
工藤さんが呟く。
「そうなのよ工藤とはちょっと違うのよ、私の部下?なのよ」
「ちょっと待て!部下って何だ?部下って!そもそもお前のせいだろうが!」
女神様を思わず「お前」呼ばわりしちゃったから、周りがドン引きだ。
「うるさいわね!良いでしょ!ところであんたの後ろの子は?」
ゆうこりん様はリリスを見た。
「聖女リリスでございます。女神様にはご機嫌麗しゅうございます」
「あら、貴方がリリスなのね。話しはした事あるわよね?」
「はい、お声かけ頂いております」
「貴方、ちょっと良い気を持っているわね?」
「はい?」
「う〜んどうしましょう・・・うんよし!リリスに私の加護を一部与えます!」
「リリス良いですね?」
「は?、はっ、はい?」
「ナガトも良いですか?」
「良いんじゃないか?」
(ん?何故俺に聞く?)
「ではリリス立ちなさい!」
「はっ、はい!」
リリスの頭に光の輪が現れその光は身体に吸収された。
「よろしい!コレでナガトとリリスはツガイになりました!末永く仲良く暮らすが良いでしょう!」
「えっ!!」
「なにっ!何て言った!?」
(こいつ、またやらかしやがったか!)
工藤さんは下を向いて笑っている・・・
「あっ、支配者の王冠盗む手引きしたのは教皇だから厳しい罰を与えといて。あとナガトとリリスは王冠取り戻しなさい!良いわね!勉強途中で来ちゃったから戻るわね、あとはよろしく!あと元のナガトは元々ダジュール国の第二王子でもあるからね!じゃあねーバイバイキーン」
ゆうこりんは爆弾を投げまくって戻って行った。
「あの、ナガト殿バイバイキーンとは新しい祈りの言葉でしょうか?」
(あの駄女神・・・)
「シエル侯爵様違います、気にしないでください。あっ、そこ!教皇を捕まえて!」
扉からこっそり出ようとしていた教皇は捕獲された。
俺は皆を見渡し大きく息を吸った。
「教皇だけでは無い!コート国と通じていた者は女神様より聞いてわかっている。この場で成敗してやる!ほら、お前だ裏切り者が!」
俺は刀を振り上げ皆に向かって走ら出すフリをすると・・・
人の輪から4人が飛び出し扉に向かって走り出した!
「その4人を捕まえろ!」
こんな簡単な嘘の罠に引っかかるとはポンコツか?
(まぁ本当に女神様が降臨したから使える手だな)
「その4人は?」
「教皇の護衛隊長とナオ子爵とミノコ子爵とシミヒト公爵です」
「シミヒト!お前は公爵でも関わらず何をやってあるのだ!国を潰す気か?」
王は怒っている。
「うるさい!俺がダジュール国王になるのだ!我こそが正統!王に相応しいのだ!コート国王もそう言っておる!」
「何と!隠そうともしないか・・・牢にぶち込んでおけ!」




