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26 盗難

「サエグサ・・・いや、コキーユ・ナガト様とお呼びすべきか?」

ベルト王子は困った顔をしている。

後ろに控えているリリス・レイヤ・バッシュも何とも言えない顔をしている。


「クドー剣者殿、そちらはお弟子さんのコート国第三王子コキーユ・ナガト殿か?」

王が工藤さんに聞いた。

「そうでもあるしそうでも無いですな」


「ご説明頂けますかな?」

宰相であるシエル侯爵がたずねる。

「外身と一部の記憶を持つ別人だな、そう言う事だなナガト?」

「そうなりますね」

「むぅ、わかり兼ねますな、さすがに納得が行きませんな」


「何で私達にサエグサって偽名を使ったの?」

リリスが泣きそうな顔で俺に言い寄る。

「偽名では無いな」

困った俺に工藤さんが助け舟を出した。

「どう言う事でしょうクドー剣者様?」

シエル侯爵が聞く。

「彼の中身は俺と同じ世界からやって来た、サエグサ・ナガトと言う者だ」


『えっ!?』


「・・・では高位種族・召喚者と言う事ですか?」

「そうなるのかな?でも召喚者では無いような・・・ですよねクドーさん?」

「召喚者では無いな」


「嘘をつくな!馬鹿三男坊が我々をたぶらかしているのだ!こんな奴らを信じるな!何が高位種族だ!女神様に近いのは我々ら教会の者だ!」


「リリス誰あれ?」

「・・・教皇様です」

「はぁ、色々残念な人か?」

「貴様愚弄するのか!」


シエル侯爵が割って入った。

「ちょっと待って下さいイス教皇様!ナガト様、大変失礼かと思いますが確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」

「はぁ、かまいませんよ?」

「ステイタスボードをここへ!」


ベルト王子・リリス・バッシュ・レイヤの所に行く。

「すまんな、嘘はついていないが色々とややこしくてな」

4人とも微妙な顔をしている。

「サエグサは向こうの?本名なの?」

「そうだ」

「何でこっちに来たの?うーん・・・そこがなんといえば良いのか・・・」

「言えないの?」

「いや、そうじゃ無くて・・・一言で言えば女神様のミス」

「はぁ?」

「だから言いにくい・・・」

「それは・・・察するわね」

皆の緊張がほぐれたようだった。


「まぁ、ちょっとした女神様の手違いから向こうで俺が死んじゃって身体も無くなって、その責任として自分の造ったこの世界で、ちょうど死ぬ寸前の身体の器に俺を入れたんだ。まだ何とか生きていた三男の記憶も少しだけ引き継いでいる」


「クドー剣者様も同じなのか?」

「いや、違うなクドーさんは召喚だよ」

「サエグサは複雑なのね」

レイヤとバッシュは頷いている。

「いやほんとにこの身体は鈍ってて、鍛えるの大変だったぞ!」

「クドー剣者様の剣は向こうの剣法なのか?」

「そうだよ」

「向こうの世界はみんなその剣法が出来るのか?」

「いや、あれはクドーさんの家に伝わる技だそうだ。俺は別の流派の剣を25年程学んでいたよ」


『えっ!?』

「何?」

「じゃあサエグサって何歳?」

「死んだ時は37歳。でも17歳の身体に入ったし思考も一部受け取ったから、精神や感情が若さに引っ張られてる感じかな。

「だから年上に見えたんだ、なんか納得」


「用意が出来ました!」

ステイタスボードがセッティングされた。

水晶玉の部分に近づき手を触れた。


バン!

「きっ、緊急!」

騎士4人が入って来た。

シエル侯爵が王を庇うように仁王立ちし、侵入して来た騎士達に怒鳴った。

「まず控えよ!何事だ」

騎士達はその場に片膝をついた。

「宝物庫の支配者の王冠が奪われたました!」

「なに!」

「犯人は聖女様の従者カイヤです」

みんな一斉に聖女リリスを見る。リリスの顔は真っ青で倒れそうだ。

シエル侯爵がリリスと教皇に向き話しかける。

「リリス様念のためリリス様は調査が終わるまで拘束させて頂きます。教皇様よろしいですね?」

「うむ構わぬ、こやつが主犯かも知れんな。そう言えば教会でも怪しい動きをしておるし、今日も教会の礼服で無くドレスなぞ着たしのぉ!色ボケか!」

(まぁ女の子だからな)






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