12 ギムの工房
立木打ちをして居ると工藤さんから呼ばれた。
「この前もらった材料で日本刀作りたいだけど、ちょっと足りない鋼があるからフギ町まで買いに行ってくれないか?
「基本的に無職なので良いですよ、その町は遠いんですか?」
「徒歩で5日だね。道は王州街道の一本道だからわかりやすいよ」
「持ち物は何かありますか?」
「宿泊施設もちゃんとあるから大丈夫だが、日本じゃないから武器は持って行ってくれ」
工藤さんは引退して谷に住んでいる鍛治師のギムと、日本刀を作ろうとしている。俺が国から持って来た希少金属はかなり役立つらしい。あとはフギの町で作られる高品質な生鉄と言う鋼材が必要との事だ。
「ギムの工房で持っていく剣を選んでくれ。話しは付けておく」
「工房はどこですか?」
「レッドリバー、三ノ橋の20メートル上辺りだ、行けばわかる」
明日の午後、訪ねることにする。
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翌日、午前中レッドリバー、二ノ橋付近で釣りをする。
谷の村に来てから馬と鳥の毛を使いニンフとウエットとストリーマーの毛針を作った。
今日はストリーマーをチョイスする。
ストリーマーを下流を向けて流すとすぐに強い当たりが来た。
一瞬送り込んでから斜め上に鋭くロッドを上げ合わせる。
テイルウォークで針を外そうとしているので、テンションを保ちながら引き上げつつ溜めて一気に水中から橋に抜く。
デカい!アムゴだっけか?
バケツに入れ、これから訪ねるギムへの土産にする事にした。
納竿し岩の上に座り、家からもってきた塩にぎりめしにかぶりつく。岩塩なのでとても優しいうまさだ。
食い終わり水筒から茶を飲み一息つくと、三ノ橋に歩いて行く。3ノ橋を過ぎ10分ほど歩くとその家は見えた。
後ろが工房だろうか?結構デカい建物だ。
「ナガトです」
「おう、入ってくれ!」
「初めまして、これ土産です」
「うぉ!アムゴか!?デカいな!!」
奥さんが何事かと顔を出した。魚を見せ二人で大喜びしている。喜んでくれたようで何よりだ。
「悪いな、買い物頼んじゃって」
「いや、別に構いませんよ基本ヒマ?ですからね」
「クドーだけのじゃ無くて、ナガトのも希望を聞いて作るからな」
「持って来た材料、そんなに多く作れるんですか?」
「二人のダイショーは余裕で作れるぞ」
(大小かな?)
「刀はこの部屋にある物の中から、好きなの選んで持ってってくれ」
吊るしてある剣を見ると片手で剣が多い。要はエクスキャリバーみたいなヤツだ。
「みんな光剣を持つから、実剣はカッコ悪いから持たないんだよ」
「何でカッコ悪いの?」
「私は魔法無し!魔力少ないです!だから予備で持ってます!って事らしいぞ」
俺から言わせれば、いや工藤さんも同じだと思うが、光剣こそサブウェポンだと思うが・・・(まぁ所変わればだな。)
金床に転がる日本刀っぽい刀身に目につく。
「アレはダメか?」
「構わないけど作ってる途中だぞ?まぁ焼き入れまでは終わってるけどな」
ギムが俺に刀身を手渡す。脇差ぐらいの反り無し直刀で鎬もあり重ねも厚い日本刀風の剣だ。
「コレをざっと整えてもらっていいかな?」
「そこの回転砥石使えばすぐ出来るぞ」
「拵は木でお願いして良い?」
「そっちは木工のアルムに頼んどくから、3日後に取りに来てくれ」
「木工職人なら粘りのある棒で杖を作ってもらえないかな?」
「あぁ、わかった」
「じゃよろしく」
刀を頼んで家に帰った。
さて旅の準備をするかな。
セバスにも言っとかなくてはいけないな。
まさか20キロも買って来るとは思わなかった。
(俺は馬車、従者付きだからな)




