測定と校長
好奇心。それこそが、人間という種を突き動かす最強のエネルギー。
魔法も、召喚術も、すべては好奇心が原点――私はそう信じている。
一つ知れば、次を欲する。
それが人間という生き物だ。
だから私があの少年と召喚獣に興味を抱くのは不思議なことではない。
何故なら見たことがない魔物を従える少年と新たな魔物、それに引かれていた。
それと同時に彼と戦ってみたいとも思ってしまった。
教師失格だ、だが教師という立場でも私も召喚士の一員であることに変わりはない。
新たな知識を得るため、彼をもっとしりたい
出来るならば……
あぁ!想像するだけで脳が震える。
知識を得ること、そして新たな世界を切り開くこと。それこそが私の生きる意味。
これだから召喚士は止められない――そう確信している。
ある教師の日記から抜粋
私レラーナ・ゼーラは天才である。
自分で言うのもなんだけど、私は天才。
誇張じゃない、事実よ。
自分の価値を理解できないほど、私は愚かじゃない。
ドラゴンを幼少期に召喚できた。それだけで凡庸ではないと証明されたのよ
ドラゴン
それは最強の象徴。
そんなドラゴンを召喚できるほどの魔力の質を持つ私が勉学にも励んできたこれで天才でなければ何というのか……
自分にそう言い聞かせてきた。
だから学年トップは当たり前!
学年最強の座の生徒会長だって私しかいない
そう私は思っていた。
彼と出会うまで
「次!」
「はい!」
ようやく私の番だ。
この時をどれだけ長く待ちわびたか。
私は返事をして魔力を計る機械 フォースゲージに手を伸ばす。
心臓が止まりそうになるほど緊張する。
もしここで魔力がDと出たら――そう考えると、胸が苦しくなった。
私の魔力、私の価値、すべてがこの瞬間にかかっている。
「天才」であるために、私は何としても、この試験を突破しなければならない。
そう自分を鼓舞して不安な気持ちを圧し殺しながら魔力を指先に込める。
私は天才なんだ
そうでなければならない……
その指先から発せられる魔力を吸引するゲージは数秒で吸引は停止する。
人生が決定するというのに随分な速度だ……
まぁ、長々やられてずっと緊張するよりはましか
そう思っていると機械は停止する。
停止した後数秒で結果は発表される……この待つ時間が長いのだけなんとかならないのか?
さっきの速さはどうしたのよと速く結果を見せなさいよ心臓が止まっちゃうじゃない。
そう思っているとガラスに文字が表示される。
「B!! 合格だ」
やった!!と思うのと同時にBかと落ち込む……
お父様達には遠く及ばない……やはりか……いや私は天才!!
質なら誰にも負けてない!!
今の時代量より質よ!!
そう自分を鼓舞する。
私の次は彼ね……
さっき試験会場でかわいい魔物を従えていた彼。
魔力を感じられないほど弱い彼……
合格を願いたいけど難しいだろうと思う。
そう思っていた私の考えはすぐに覆る。
「始め!!」
試験官の声が聞こえて彼は魔力を集中させるが力が感じられない。
やはり彼の力は微弱なのだろう……
そう思っていると機械は停止する。
結果は見るまでもない。
彼を慰めるために近づこうとしたその時画面に文字が表示される、だがその文字は私の想像とは違うものだった。
「測定不能……?」
「測定不能」という文字が浮かんだ瞬間、会場に一瞬の沈黙が訪れ――すぐにそれをかき消すように、嘲笑が爆発した。
「こいつ低すぎて計れねぇってよ!!」
「歴代初じゃね!? 」
「雑魚!!帰れよ!!おまえがいていいところじゃ!!」
先輩たちの罵声が飛ぶ。
……この程度で笑うなんて、レベルが知れるわね。この学園、ほんとに“国内最高峰”なの?
私は少年の元へ向かおうとする――その時、試験官たちの動揺した声が耳に入った。
「あ、ありえない 測定不能?これはどれだけ数値が低くても……」
「それにさっき召喚獣を出していたと報告をうけている……つまり魔力が0ということでは……つまり……」
「まさか!?そんなことは」
「だが数値が分からないならあの方と同じで……」
これは魔力が無いとかそういう騒ぎではないと分かってしまった。
私はそこまで馬鹿ではない。
測定不能
その二文字が魔力が微弱すぎる以外ならば、答えは……
そんなことがありえるのか?
これはSランクまで計れる機械なのよ!?
それ以上なのって伝説の召喚士……ソロモンしか…
「なら戦ってみればいい」
私の考えはある人の登場で、遮られる。
綺麗な金髪と長い耳そしてスレンダーな体。
入る前から知っていた、あの人だ
学園町でありこの国いや、世界最強の召喚士最高の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ
その人だ。
「ふむ、これほどの魔力が機械で測れぬとなれば――戦わせてみるしかあるまいな」
老いた声に似合わぬ、興奮が滲んでいた。
「ですが!学園長 入学前の生徒と戦うなど!!」
「そうです!!これが国に、いやアス派の連中からなんと言われるか……」
「だがそういってこれほどの逸材の可能性がある卵を伝統だけで落とすわけにはいくまい?」
「それはそうですが……」
会話している校長達の間に誰かがわってはいる。
「世間の目が気になるのなら 無限使われては?」
「あれを使うと!?あれは我が学園の最高機密だぞ!?これだから他所から来た者は!!」
「おぉ!そうじゃの!!それなら奴等にも気取られんし……」
「学園長!?」
「なら早速無限の準備じゃ!お主も準備しとけよ」
「何をおっしゃる。」
「お主が受験生に興味を示す理由など、研究欲しかあるまい?」
「よくおわかりで」
「これでもお主の師匠じゃからの 後そこの少女 丸見えじゃぞ?一緒に観戦しようや!」
そういいながら私を手招きする校長
私は気づかれていたことに驚き、柱の影から身を出す。
「学園長!?その子はまだ受験生で!!」
「その魔力量で落ちんよ それに気になるんじゃろ?」
「はい!」
測定不能の魔力。
気にならないなら召喚士じゃないでしょ
あなたの力このライバルレラーナが見せてもらうわね
なんでこうなった!? ただ試験受けてただけなのに……ミラさん、助けて!!




