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藤原時平は昌泰の変を起こしたい

時平は遂に昌泰の変を実行する。

「左大臣、どうして戻ってきたのだ?」

醍醐天皇が尋ねた。

「実は……、右大臣が謀反を起こしたとの知らせが入りまして……」

「何だって!」

醍醐天皇の顔色が変わった。

「右大臣は娘を嫁がせている斉世親王を皇位に就けようと企んでいます」

時平は醍醐天皇に讒言した。

「それはどういうことだ!斉世親王を皇位に就けるために謀反を起こすとは、右大臣はいったい何を考えているのか!」

醍醐天皇は驚愕と怒りを抑えきれず、時平に向けて厳しい口調で問い詰めた。

「右大臣は帝のお世話になってきましたが、彼の野心は日増しに膨らんでいます。彼は斉世親王を利用し、自らの権力を固めようとしているのです。私は帝のために、この陰謀を暴かなければならないと考えました」

時平は冷静な表情を保ちながら、事態の深刻さを伝えます。

「朕が右大臣に信頼を置いていたことが、大きな過ちだったのかもしれない。皇位に介入するなど、断じて許すことはできない」

醍醐天皇は深い悲しみと憤りを胸に抱きながら、時平の言葉を受け入れた。

「この事態に対処するためには、迅速な行動が求められます。適切な措置を講じるべきです」

「時平よ、朕のために行動してくれ。この陰謀を阻止し、朝廷の平和を守ってくれたまえ。朕は信頼を寄せる」

醍醐天皇は悲嘆に暮れつつも、決断を下した。

「私はこの使命を全うするために全力を尽くします。ご安心ください」

時平は深く頭を下げ、醍醐天皇への忠誠と決意を示した。


「ところで、あの者の処遇だが……」

「はっ、いかがいたしましょう?」

「道真は謀反を起こした。これは大逆罪にあたる行為だ。追放するしかあるまい」

「承知致しました」

「ただ、道真は宇多法皇と親しかったはずだ。法皇が道真を庇ったりしないだろうか?」

「そんなことはあり得ません。道真は宇多法皇にとっても目の上のたんこぶです。宇多法皇は道真を疎ましく思っているでしょう。宇多法皇はきっと、喜んで協力してくれるでしょう」

時平は都合の良い出鱈目を説明した。

「そうか……。とはいえ、道真がいなくても問題ないか?」

醍醐天皇は不安だった。

「右大臣の存在は朝廷にとって大きな価値を持っています」

宮内卿が言いました。醍醐天皇は疑問に思いながらも、宮内卿の言葉に耳を傾けた。

「右大臣の存在が国家にとって価値を持つとは、どういうことだ?」

「右大臣は優れた政治家であり、文化人でもあります。彼の功績は数多く、国の発展に大いに貢献してきました。そのため、彼を追放すれば、政治的な空白や文化的な損失が生じる可能性があります」

宮内卿は言葉を選びながら説明した。

「右大臣が謀反を起こしたのは事実です。謀反人を容赦するわけにはいかないのではないか」

時平が口を挟んだ。

「右大臣の謀反は個人の行為であり、それが彼の全てではありません。右大臣は多くの人々に愛され、彼の指導力や知恵は国家全体に影響を及ぼしてきました。彼がいなくなった場合、その空白を埋めることは容易ではありません」

宮内卿は静かに頷きながら言葉を続けた。醍醐天皇は考え込みながら宮内卿の言葉を受け入れた。彼は道真の功績や存在の重要性を再評価し始めた。

「その心配は不要です。右大臣を厳しい監視下において、彼の知恵や経験を朝廷のために活かす方法があるかもしれません。彼の力を制限しつつも、朝廷にとっての利益を最大化する道を模索することができるのです」

時平は自信満々に答えた。これは、その場しのぎの発言であり、時平は道真を活かすつもりはなかった。左遷を決断させるためだけに言ったことである。しかし、醍醐天皇は納得してしまい、道真の左遷が決まってしまった。


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