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菅原道真は貧乏くじをひきたくない

無能公務員体質のスタッフの腹立たしい点は、自分ができないからと押し付けておきながら、相手に貧乏くじを引かせたという自覚もないことである。役割にない仕事をすることになったら、その分、マイナス評価されることが当然である。ところが、無能公務員体質のスタッフは自分の保身と責任逃れが第一で、貧乏くじをひかせたということすら認めようとしない。


「自分の上司とコミュニケーションをとればいい」

無能公務員体質のスタッフは逆に言い放った。その言葉は冷たく、無感情だった。この瞬間、道真は内心で怒りと挫折を感じた。無能公務員体質のスタッフは、役割外の仕事を押し付けた上にコミュニケーションという余計な負担まで押し付ける。担当者にとって踏んだり蹴ったりである。現実問題として上司とのコミュニケーションが何らかの解決につながることは滅多になかった。役割外の仕事を押し付けられたことが問題である。机の上に積み上げられた書類が、重苦しい空気を漂わせた。


「やれやれ、これは私の役割ではないのに…」

道真は何度も考えたが、どうしても役割外の仕事に抵抗を感じた。

道真はこの問題に立ち向かうために、計画を練り始めた。道真は自分の上司に対して、役割外の仕事を押し付けられたことが本来の仕事に対する影響を説明することを決意した。この誠実な姿勢が、道真の自己評価を高める手助けとなると信じた。

「役割外の仕事を押し付けられた分、本来の仕事に集中できず、成果が減少しています」

道真は上司に向かい、自分の立場を述べた。これが自分の役割に誠実な担当者の姿勢である。役割外の仕事を押し付けられたことはマイナス評価になる。しかし、押し付けられてマイナス評価されることは不合理である。そこを考えて役割外の仕事の分は評価しない、ゼロ評価とすることが公正である。結局のところ、役割外の仕事そのものは余計な負担でしかない。

道真の言葉は、冷静で論理的だった。上司はその説明に耳を傾け、考え込む様子が見受けられた。上司は役割ベースの仕組みに理解を示し、役割の遂行にフォーカスすることが大切であると認識した。役割外の仕事を押し付けることが、組織内での混乱を招く可能性があることを理解した。

最終的に上司は公正な判断を下すことに決めた。役割外の仕事の分は評価しない、ゼロ評価とすることを決めた。道真はこの結末にほっと一息ついた。無能公務員体質のスタッフの保身に対する逆襲は、道真の職場での評価を高め、地位を向上させることとなった。


ところが、無能公務員体質のスタッフが横槍を入れてきた。

「役割外の仕事でも成果はアピールすればいい」

無能公務員体質のスタッフの卑怯な点は押し付けてやらせたものでも、自発的にした体裁をとらせようとすることである。これは役割ベースの目標管理制度を無視している。役割として定義された仕事をしたか否かが問題である。役割ベースの仕組みを守り、誠実に仕事を遂行すれば、より効果的に成果を上げられる。役割外の仕事はアピールポイントにならない。


役割として定義された仕事を完成させることが、道真にとって最も重要なことだった。自分の役割について忠実ならば上司には、役割の仕事ができたか、できなかったか、問題点があるとすれば何か、どうすれば解決できるかを話すことになる。それだけで十分に話す内容がある。それを話せば面談の時間を十分に使い切ることができる。


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