菅原道真は学問所を作りたい
菅原道真は讃岐国で学問所を作った。讃岐国内外から学者を集め、学問や教育を振興させることを目指した。
「ここを学問所とする」
道真は宣言した。
「先生、何のためにですか?」
「将来、讃岐国を背負って立つ人材を育てるためだ」
「でも、ここには誰も来ませんよ」
「それでも構わない。私はここで私塾を開くつもりなのだ」
「えっ! 本当ですか?」
「ああ、そうだ」
「それなら、私も勉強したいです」
「よし、いいだろう」
道真は学生を募って授業を行った。学問所の広い講堂には、多くの学生たちが座り、熱心に講義を聴いていた。道真は真剣な表情で授業を行っていた。道真は日本や中国の古典や哲学、文学などについて深く掘り下げた講義を展開した。道真の講義は、学問への情熱と知識の深さが詰まったものであり、学生は彼から多くを学び取っていた。
道真は学生達に『論語』を講義した。孔子が弟子達に語った言葉を引用しながら、孔子の教えについて解説していた。
「孔子は親孝行を尊ぶべきだと言っている。これは儒教の教えの基本となる考え方だよ。儒学は中国の思想で、仁義礼智信忠孝悌といった徳目を大切にしているんだね」
「へえー、そうなんですね」
「というのは人として守るべき正しい行いのことです。親に対しては礼儀正しく接しなければならないんだよ」
「なるほどね」
学生達は、道真の言葉に耳を傾け、真剣に授業を受けていた。手を挙げて疑問を投げかける学生もいた。道真は、その疑問にも丁寧に答えながら、学生達の理解を深めるよう努めていた。
「中国の歴史についてもっと知りたいです。特に、古代の人々の生活や文化について教えていただけますか?」
「もちろんだ。歴史だけでなく、当時の人々の暮らしや思想にも興味があるのね。それでは、次回の授業でそのような内容について詳しくお話ししよう。」
道真は生徒の熱意に応え、次回の授業で新たな内容を取り上げることを決めた。授業が終わると、学生達はお辞儀をして、講堂を出ていった。道真は、学生たちが去るのを見送りながら、次の授業に向けての準備を始めた。彼は、教育の重要性を深く理解しており、学問所の設立によって、多くの人々に教育を受ける機会を提供することができた。
次の授業で道真は新たなテーマについて講義した。道真は古代中国の生活や文化について、熱心に解説し、古典の文章や史料を引用しながらその奥深さを伝えていった。学生らは興味津々で聞き入り、彼らの眼差しには熱い好奇心と理解の光が宿っていた。道真は学生との交流を大切にし、彼らの質問に丁寧に答えながら、古代中国の歴史や文化について深く掘り下げていった。
その後も道真は学生らに学問の扉を開き、彼らの知識と理解を広げるために努めた。彼の授業は、ただ知識を伝えるだけでなく、学生らの心に響くものであり、学びの喜びと感動を与えるものであった。
道真の熱意と努力は学生らの心に深い影響を与え、彼らは道真の指導のもとで成長し、学問の道を歩む中で新たなる可能性を見出していった。そして道真自身も学生との交流を通じて成長し、より深い理解と洞察力を得ることとなった。道真は学生らに師としての役割を果たすと同時に、彼らからも多くを学び取ることができたのである。