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宇多法皇は藤原時平を糾弾したい

宇多法皇は、時平を糾弾しようと考えた。宇多法皇は、藤原時平を呼び出し、詰問した。

「藤原時平よ。なぜ、お前は、道真を左遷したのだ?」

宇多法皇は厳しい表情で問い詰めた。顔には深いしわが刻まれ、眉間には重苦しい皺が寄り添っていた。

「何のことですか?」

「とぼけるでない。菅原道真のことだ」

「さあ、なんのことでしょう?」

「惚けても無駄だ。道真を陥れたのは、藤原時平、貴様なのだろう?正直に白状しろ。そうすれば、許してやる」

宇多法皇は怒りを募らせながら言った。

「私が道真殿を左遷?そんなことはあり得ません。私は無実です」

「嘘をつけ。道真の失脚後、お前は道真の悪い噂を吹聴しまくったではないか」

「私は、道真殿のことを悪く言った覚えはありません。道真殿は、学問の天才で、素晴らしい方でした。しかし、政治の才能はなく、人望もなかった。だから、道真殿は左遷されてしまったのです。左遷は当然の結果でした」

「よくもまぁ、ぬけぬけと言えたものじゃ」

「私は、ただ、本当のことを話したまでです。私が道真殿のことを悪く言うはずがないではありませんか」

「黙れ、この痴れ者が!道真は、優れた学者であり、素晴らしい人格者だ。道真は、才能はあるが、人望がないという理由で、左遷などされぬ。それに、お主は、道真の家族や部下達も左遷させてきたであろう」

「私には、身に覚えがございません。部下達が勝手にやったことです」

「まだしらを切るつもりなのか?」

「はい。申し訳ございません。本当に心当たりがないのでございます」

「あくまでも、罪を認めないというわけだな」

「はい」

藤原時平には、全く悪びれた様子はなかった。


宇多法皇の怒りは頂点に達した。宇多法皇は、時平の陰謀への関与を指摘した。彼は時平が道真を陥れるために、巧妙に計画を巡らせ、多くの人々の人生を破滅させたと信じていた。

「藤原時平、覚悟せよ。もう我慢できぬ。藤原時平の一族は、全員、流刑に処する。流刑地へ送ってやろう」

「なんですと!?」

藤原時平は青ざめた。

「それだけではない。お主には、死よりも辛い刑罰を与えてやる」

「なっ、何をするつもりですか?」

「お主は、道真を陥れるために、多くの人間の人生を狂わせた。お主のせいで人生が変わった人間は大勢いる」

「私のせいとはどういうことでしょうか?道真殿の左遷は、道真殿の責任であって、私の責任ではございません」

「いい加減に認めろ!お主が、道真を追い落とした張本人なのだ!お主のせいで、道真の部下達は左遷されたのだ!」

「違います!私は無実です!」

藤原時平は必死になって否定した。

「往生際が悪いぞ、藤原時平!」

宇多法皇は激怒して叫んだ。

「ひぃー!どうか命だけは助けてください。お願いします」

藤原時平は土下座をして懇願した。

「駄目だ。絶対に許さん。お主を地獄に突き落としてやる」

宇多法皇は冷酷なまなざしで時平を見つめ、彼の懇願を拒絶した。


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