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転生先でダブルブッキング  作者: 光岳 擇也
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激突死んからの転生イベント

 (何があった?)


 ロイは起こった事を整理しようとするも、理解出来ないでいた。起き上がろうとまばたきを何回かして目を開く。しかし、目を開けた先はジムの光景ではなく、辺りは暗闇。そして、目の前にはシスターのような装束を身に纏う女性が一人立っている。髪はセミロングの銀髪、顔は少し幼く見えるが背が高くスラッとしたフォルムはまるでモデルのようだ。


 「お目覚めになりましたか?」


 「ここは、、、?」


 そう問いかけ、ロイはゆっくりと立ち上がる。


 「あなたは死にました。」


 「なっ、、、!?」


 突然、目の前の女性から死を知らされるロイ。ロイは目を閉じ、自分に起こった事を整理する。普通の人間なら、突然の死に頭が真っ白になるか、慌てふためくか、理解が追いつかないが、ロイはどれにも該当しない。


 (俺がトレーニングメニューを考えている最中の後ろからの悲鳴。ランニングマシン、そして会員のオーバーペース、自分の正面はミドリさんがベンチプレス、そして後ろからの衝撃、、、)


 「あなたは後ろの、、、」


 女性が死の原因を話しだしたが


 「オーバーペースの会員の足がもつれて転倒。ランニングベルトによって俺に激突。俺は前へと倒れ込み、その先はベンチプレスのバーベルってところか。」


 ロイの分析と冷静さにキョトンとする女性。


 「で、今に至ると。死んでいるが体はあるし、考える事も口に出す事も出来る。俺の思う死後の世界とは違う。そして、シスターの様な身なりの貴方がいる。黄泉がえり?天国か地獄への選択?それとも転せ」


 「わぁあああ!!!ストップ!ストーーーップ!!!」


 冷静なロイの思考、推理にストップを慌ててかける女性。ロイが思考を中断し女性に目を向けると、聖女のような落ち着きを取り戻そうと努める。咳払いをコホンと一つして


 「驚きました、貴方の考えている通りです。しかし、その先まで語られてしまいますと私の立場もありますので。」


 「そうか、それなら聞かせてもらえるだろうか。この後、俺はどうなるかを。」


 「私はあなたのように若く、突如命を落とした方々を異世界に転生させる者です。名前はへ、、、へ、、、っくしゅん!」


 大事なところでくしゃみをする女性。


 「名前はへっくしゅんで、、、」


 「違いますーーー!!!」


 慌てて否定する女性、自分のキャラが崩壊している事に気付き、再度聖女のような落ち着きを取り戻す事に努める。また咳払いをコホンと一つして


 「私の名前はヘクシアと申します。」


 ロイは結局くしゃみみたいな名前だなと感じつつも口には出さなかった。


 「異世界転生と聞いてロイさんはどう思われますか?」


 「そうだったな。名前のクダリがインパクトありすぎて抜けてしまっていた。異世界転生か、、、」


 ヘクシアは名前のクダリを口に出され、コブシを握りしめ、なんとか聖女の正常を保とうとする。


 「違う世界へ行き、何らかの目的を果たすために進む。魔法やスキルも異世界だとあったりするのかどうか。」


 ヘクシアはふぅと一つ息を吐いて落ち着くと


 「その通りです。そして、かなりゲームに近い感覚ですね。その世界を神が創ってくださり、現世の死者を私たちが、その世界の人間に転生させてきました。もちろん誰でもという事ではなく、先程説明しました、若く、突如命を落とした方々が対象です。」


 「なるほど。それで俺に異世界に行って何をしろと?」


 「まず、この異世界はロイさんたち転生者に何か使命を与えたりはしていません。戦うも戦わないも自由です。若くして突如命を落とした者を、神の創った異世界で、楽しく、充実した第2の人生を過ごしていただくというものです。」


 「第2の人生か、、、ゲームの様な世界という事は戦闘もあるって認識でいいか?」


 「もちろんあります。モンスターを倒せば経験値とお金を獲得する事ができますし、経験値を稼いでレベルアップをすれば、使えるスキルも増えます。しかし、お金がなければ衣・食・住ができません。もし、スローライフを望むなら、衣・食・住に必要な分だけ弱いモンスターを倒せば良いでしょう。モンスターも街を襲う事はありませんので、そこは安心してください。」


 (自分をレベル上げできる!経験値という数値化されたものがあれば、具体的なプランも構築しやすい。スキルとの組み合わせで更なる高みも目指せる!となると)


 RPGのレベル上げが好きなロイ。今まではジム会員のレベル上げしてきたが、今度は自分をステータスを考慮し、レベルを上げられる事に興奮していた。そしてレベル上げした先の疑問が当然出てくる。


 「ボスもいるのか?」


 「います。各エリアに応じたボスが。そのあたりは異世界の人間に聞けば分かるでしょう。」


 「全ボスを倒したらどうなる?」


 「モンスター自体は倒してもまた生み出されます。ボスについてはまだ討伐された事ありませんので、何ともお答えする事ができません。」


 (各エリアボスが相当強い、もしくは他の転生者が弱いのか、、、ヘクシアは突然死した若い人間を転生していると言っている事から、ゲームが得意な人間や好戦的な人間が多くないかもしれない。)


 「転生しても今のロイさんの記憶は引き継がれます。」


 「当然だな。もし引き継がれないのなら、今のこの場にいる説明がつかない。転生先は?」


 「ロイさんの世界でいうNPCにロイさんの魂を飛ばします。年齢も今のロイさんと同じ年齢のキャラです。」


 「ちなみに命を落としたらどうなる?」


 「すみませんが、そこで終了。再び転生させるといった事もできません。」

 

 「安心した。」


 そう言って笑うロイをヘクシアは「えっ?」と口に出す。


 「死んでもやり直し出来るヌルゲーは本当のゲームだけで十分だ。死も一つの戦術になってしまう。死んだら終わりの異世界転生!完全クリアしてみせる!」


 「貴方という人には驚かされてばかりです。。。さて、他の詳しい説明は異世界で聞いたり調べたりしてください。異世界の冒険者は、貴方と同じように魂を送られた転生者です。それ以外はNPCとなります。まず転生したら冒険者ギルドへ行くと良いでしょう。そこなら情報収集しやすいはずです。では、そろそろ転生しますがよろしいですか?」


 「わかった、やってくれ。」


 ロイは転生を受け入れた。ロイの表情に真剣さが増す!


 ヘクシアが目を閉じ詠唱を始めると、ロイの足元に魔法陣が出現する。


 「これは、、、」


 ロイの魂が球状に変わる。そして、魔法陣にロイの魂がゆっくりと吸収された。


 異世界の上空に魔法陣が出現する。


 「ロイさん、ではこれから転生先へ飛ばします。」


 (思念伝達のようなものか?脳内にヘクシアの声が伝わる。)


 ヘクシアがロイの転生先に狙いを定めると右手を上げ人差し指を立てる。


 「では、ご武運を!、、、へ、、へ、、」


 (!?お、おいっ!?待て!!今飛ばすな!)


 「「ヘクシアっ!!」」


 ロイが叫んだ名前ヘクシアと彼女がしたくしゃみがシンクロする。よりによってヘクシアは自分の名前でくしゃみをしたのだった。そして、くしゃみをした事で狙いがずれてしまうが上げた右手はヘクシアっ!!としたくしゃみと同時に下げられた。


 「いけない!私ったらなんでこのタイミングで!」


 (バカヤロー!!)


 ロイの魂が射出され、ヘクシアの狙いとはかけ離れた方角へ飛んでいく。そして、ロイの魂は路地に立っている一人の女性へと真っすぐに向かっていく。ロイの魂が女性に入った瞬間、赤と青の光が女性を一瞬包み、光は消えた。


 「なんてこと、、よりによって女性に、、しかも2種類の光という事は、、、」


 自分が起こした事と、自責の念でヘクシアは膝をついた。


全然更新出来ずすみません。それでも読んでいただいている皆様に感謝しております。やっとこれからリコとロイの冒険が進みそうですので、気長にお待ちください。ホント気長にお願いします、、、

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