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好奇心は小心者ですら殺す  作者: えねるど
5月17日(土)
5/46

一体これから何が始まるんですかね

 無事に母親からの叱責をいただいた後、目的の品を購入し、家へとついた。

 それから約束の十七時までの約四時間、自室で落ち着きなく時間を潰してから再びミニベロへと跨った。

 

 誕生日に妹から貰った、()()趣味の悪い腕時計は「16:51」を表示している。


 駅へ向かう最中ふと思ったが、俺はいったい金髪少女の正体を知って何がしたいのだろう。

 なぜ正体を知りたいのだろう。

 どんなことをしているか、どんな生い立ちなのか、それを知ったとして、俺に何か益があるのだろうか。


 知らないものは知りたいし、知らなければならないとも思うし、そのように生きていくと決めたが。

 しかし、この短絡的感情が「恋」でないのは確かだ。

 それこそおめでたい頭の思春期野郎でもない限り。

 

 ただ、なぜだか胸に引っかかるものがあるのも事実ではあった。

 あの時、天文学室で見た金髪に、他人と思えないような雰囲気をどうしてか感じたのだ。

 

 三逆駅の駐輪場に相棒を止め、北口のベンチを目指す。


――まさか、生き別れの妹?


 と、思考でふざけられる精神的余裕がある今のうちに、深呼吸をしておく。

 ゆっくり、ゆったりとしたベンチへの腰かけ方とは裏腹に、またしても俺はそれとなく緊張していた。

 

 これから金髪少女が来て、いったい何が始まるのだろう。デートとか?


 少し鼻の穴が膨らんでいることを自覚し、再び深呼吸をした。

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