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8年前の勇気
ブランコに座り直し、俺は恐る恐る訊いてみることにした。
「あの時さ……由宇はどうして学校にいってなかったの?」
そう。
あの時、教えてくれなかった、自分のせいで聞けなかったことだ。
少しの間があってから、
「お父さんがね、学校に行かせてくれなかったの」
悲しいセリフとは裏腹に、由宇は笑顔で返答した。
ここまできてしまったら、嫌われようが嫌がられようが踏み込むのは止められなかった。
「どうして行かせてくれなかったの?」
由宇の笑顔は寂しそうな笑顔に変わった。
「あまり気分の良い話にはならないと思うけど、春枝君はそれでも知りたい?」
ああ、知りたいさ。それが俺のポリシーだ。
無言で頭を縦に振った。
由宇は目線を地面に落とし、哀しそうな笑顔のまま風に靡く短めの髪の毛を手で押さえた。




