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第3話 お市、その正体

連続投稿。今回はここまで。


清洲城。尾張の国の中心部に位置する城。京、鎌倉、伊勢などへ行く主要街道が合流し交通の要所として栄えている。現在は織田信長が率いる織田家の本拠地ともなっていて、城下の町も活気に満ち溢れていた


「虎丸様。入っても?」


「どうぞ」


襖を開けてお市様が客室へと入って来た。後ろには女の人が2人。護衛で着いて来た侍女かな?その女の人達は、廊下で控えていて部屋には入って来ないみたいだった


「お加減はいかがですか?」


「お市様や皆さんのお陰でもうほとんど回復しました」


「………やっぱり、常に市ちゃんとは呼んでくれませんの?」


「流石に今はそれは………お付きの方がいらっしゃると………身分って言うのがありますから、バレたらまずい時は無礼な態度は取れません」


「むぅぅ。いつでも甘えて良いって言ったのにぃ」


「それは2人きりの時だけだと………」


部屋に入って来たお市様は俺の横に座り、頬っぺをぷくーっと膨らませて不満顔だ。仕方ないじゃないか。君があの織田信長の妹のお市様って知っちゃったんだから。あんな事までしたけど



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



それは数日前まで遡る。俺が目が覚めたのは、この部屋の布団の中だった。知らない場所、知らない天井、そして横には裸の女の子。見た感じは10歳位かな


まぁ、この場所、この布団、この女の子は置いといて、なぜにこの子は裸なんだ?分からない。分からないけど更に分からないのは、この俺も裸だって事だ


落ち着け、落ち着けよ俺。よし、よく観察してみよう。まずは自分だ。俺の物は天高くそびえている。よし、間違いなく健全な男の子だ。だけどロリコンではない。それは信じて欲しい


そして女の子。美しい白い肌に、腰までありそうな黒くて艶やかな髪の毛。まだ幼いのに綺麗な顔立ち。将来は間違いなく美人さんになるな。胸はまだAカップぐら………


「うーん………」


女の子が寝返りしてこちらを向いた。どきっとしたぞ。で、顔をまじまじと観察してようやく分かった。この子、市ちゃんだ。良かった。やっとひとつの疑問が解決した。めでたしめでたし


「な訳あるかい。おーい。市ちゃん、市ちゃん」


「うにゅうぅぅぅぅ………」


寝ぼけているのか市ちゃんが抱きついてきた。抱きつかれるのは正直嬉しい、嬉しいぞ。だけど俺の理性がこの状況では、あと数分も持たない可能性が非常に高い


ロリコンではない。ロリコンではないぞ!断じてロリコンではないが、こんな状況を健全な男の子が出会って良い状況じゃない。やばい、やばいぞ。どうしたら良いんだ


「うにゅう………ふぇ?お兄ちゃんおはよぅ」


「おっ、おはよう」


良かった。ナイスなタイミングで市ちゃんが起きてくれた。これでなんとか理性が保てそうだ。ただ二人とも裸な訳で、いろいろとヤバい事にはかわりない気もするな


「市ちゃん。寝起きで悪いんだけど、いろいろと聞きたい事があるんだけど良いかな?」


「うん」


「なんで俺と市ちゃんが一緒に裸で寝てたの?」


「うーん。えっとねぇ………」


市ちゃんが顎に人差し指をあてながら、なにやら考えている。いろいろと分かりやすく話す為にまとめてるれてるのかも知れないか、その姿はかなり無防備だぞ


俺は辺りを見渡して、枕元に置いてあった二着の着物を見つけた。とりあえずそのうちの可愛らしい着物を市ちゃんに渡して着るように促した


市ちゃんはまだ考えている様子だったが、なにかぶつぶつ言いながらも着物を着てくれた。その間に俺も市ちゃんを見ない様にしながら、なんとか着物を着た。着て分かったけど、かなり上物の着物だった


「それで。考えはまとまったかな?」


「うん。私の歌が(スコア)なのは言ったよね?」


「そうだね。市ちゃんに教えてもらったね」


「うん。その(スコア)を歌える女の子の純血は、どんな傷や病を治す事が出来たり、不思議な能力を獲たりする奇跡の力があるんだって」


「へぇ。それは凄いね」


「でも、それは1回しか出来ないみたいなの。だから、お兄ちゃんにそれをしようとしたらお母様に凄く怒られちゃって」


「俺に?」


「だって、お兄ちゃん勝家に斬られて大怪我してたんだよ?」


「ああ━━━。そう言えばそうだったね」


「すっごい心配したんだからね!?それでお母様に聞いたの。純血以外でなんとか出来ないかって」


「そしたら、裸で添い寝って事になったの?」


「うん。お母様が言ったの。『純血は夫となった殿方に捧げるもの。だから効果は薄いですが添い寝にしなさい』って。だからお兄ちゃんにムギューってくっついてたんだ」


「確かに斬られた所が治りかけてるけど、なんで裸で?」


「うん。だって、裸の方が効果がありそうでしょ?」


「うん………まぁ………ね。ありがとう」


いろんな意味で、市ちゃんありがとう。いろんな意味でいろんな場所が元気になったよ。確かに傷も目立たない位になってるし助かったけど………あれ?確か今、勝家って呼び捨てにしてなかったか


「ねぇ市ちゃん。さっき、勝家って呼び捨てにしてたけどなんで?」


「ほえ?だってお兄様の家臣の人だし」


「お兄様の家臣?」


「うん。信行お兄様の家臣さんだよ」


信行?俺の記憶が確かならば、織田信行って言えばあの信長の弟だったよな。で、なんやかんやあって反旗を翻し、最後は仮病を装った見舞いに行った時に殺されちゃう人だ


「って事は、信長も………?」


「うん。お兄様だよ」


「ひぇえええええっっっ???!!!」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ってな事があって現在に至る。回想シーンにはなかったけど、この部屋は市ちゃんの住む屋敷の1室で、その屋敷は清洲城の中にある。俺はその屋敷に連れてこられて、手当てを受けたみたいだ


そして手当てを受けたあの時、市ちゃんから1つのお願いをされた。その時の市ちゃんは、裸の上に着物を羽織っているだけだったから凄く色っぽくて断るに断れなかった。で、そのお願いって言うのが


『甘えてもいい?』


だった。市ちゃんは、あの織田信行・信長の妹。だから常日頃から清楚で大和撫子な所を過大に演じているらしい。10歳くらいの女の子が日頃からそんな事をしていたらストレスも半端ないだろう


そんな市ちゃんを不憫に思った柴田勝家が、気分転換をと思い岡崎の町に内密に連れ出したんだそうな。そこで市ちゃんは、いつの間にか連れの人と離れてしまった


そこへ俺がたまたま通りかかったんだそうだ。少しの間だけど俺と話した市ちゃんは、俺となら演じたりしなくても普通に話せる、一緒にいて楽しいって思ったんだって


だから素直に甘えたい。その相手が俺。だからお願いに甘えて良いって聞いたんだって。もちろん俺は直ぐにOKしたさ。でも、よく考えたんだ


ここは戦国時代、なら身分制度は厳しい。一国のお姫様である市ちゃんとタメ口で話そうものなら、直ぐに首をチョッキンだろう。しかもあの信長が兄貴だ。絶対にまずい。だから俺は1つだけ条件を出した


『2人きりの時ならね』って


そしたら市ちゃんは、そんな条件なんか関係なしに大喜びだった。そして大喜びで笑顔のまま俺に抱きついて、上目遣いに こう言ったんだ


『今も2人きりだよね』って


気が向けは、ノクターンに3.5話でエロシーン書くかも

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