表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中国古代史あれこれ  作者: kuroyagi
~序 中国古代史へのいざない~
5/246

史官たちの闘い 事実と真実

史書を記した史官たちの厳正ぶりは紹介した通りだが、彼らをしても全ての事実を書けるわけではない。

まずひとつは、伝説といえる程遠い時代の話である。この場合、口伝や伝承で残っているため、確認がとりにくい。例えば既出の黄帝は、史記の司馬遷曰く「存在は疑問視しているが、各地に伝承が残っているため記述した」と書いている。そのような様々な伝説がある場合、碑や事象が残っていれば確認しやすいのだが、それらがない場合でも、伝承があるものを無視する事も真実であるとはいえない。よって注釈つきで記述する事になるのだ。

もう一つは、王や帝といった存在の価値を上げるために、民衆や周りの者たちが創った伝承だ。この場合も、荒唐無稽な事象があった場合、本人ではなく周りの人間に聴取するのだが、周りの人間たちが事実と証言すれば否定することはできなくなる。漢王朝を創った「劉邦」は、産まれる時に母親の上に龍が乗っていたと証言されているが、これも劉邦が一介の平民であったために箔付けするためのエピソードであった可能性が高い。

しかし、民衆であれ周りの人間たちであれ、誰かたちが一人の人間を持ち上げようとする時は、時代がその人間を必要としている、という考え方が古代中国にはある。天のとき、地の利、人の和がそろう人間は何か天命があるのだから、どんな伝承も書き連ねた方が良いと判断した可能性は高い。「疑わしきは罰せず」の精神ではないのだろうか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ