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今すぐそのナイフを手に取れ。

そしてそいつを俺の喉元(ここ)を貫いてみせろよ。



目の前の彼は私にそう言った。


私には彼を傷つけることができない。

そんなこと分かり切っているのに。



私は勇気を出してナイフを手に取り、右手でその鞘から抜く。


私は意を決して彼との間合いを一気に詰めた。



ナイフを持った左手が彼の喉元へとまっすぐに伸びていく。






その刃が彼の喉を貫くことは無かった。











代わりに、冷たい刃が臆病者の胸を貫いた。

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