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溶
目元が熱い。
一体どうしたんだろう。
これは……涙、そして心だ。
溶けだした心が涙と共に外へと流れている。
それはマグマのようにグラグラと煮えたぎっていた。
錆び付いた心を外側から少しずつ溶かして流し出す。
そうして綺麗な心を保ち続ける。
溶けだした心はもう戻っては来ない。
心は減っていくばかり。
愛情、憎悪、幸福、心配。
心には様々な感情が溶けて混ざりあっている。
当然その混ざり方は人によって違う。
つまりこの心こそが私の個性。
私自身。
溶かして、流し出して。
溶かして、流し出して。
そうして少しずつ心は失われていく。
私が私を失わないために出来ることは。