女帝クリミアの軍事力
六
衛兵「国王!!ショタ国王!!大変です!!」
大臣「なにごとですかな」
衛兵「西の国境付近に…バストロア帝国軍の姿が確認されました!!」
イナカ「!!」
とうとう来たか…我が国、エルムの真横に位置する超帝国バストロア…。
衛兵「確認されただけでも…敵兵は30万を超えています!!」
イナカ「30万だと!!」
我が国の総人口は約100万。
兵の数は1万弱…勝ち目がない…この国は終わった…。
国王「やれやれ…またか」
大臣「出陣なさるのですかな?」
国王「ああ、皆はここで待機してろ」
大臣「まさかお一人で行くというのですか?」
国王「ああ、私一人で十分だろう」
大臣「いけません。道中なにがあるか分からないですぞ」
サンダー「お、ショタ国王、お出かけですか?」
国王「ちょうどいい、サンダー、イナカ、貴様らに私の護衛を命じる」
国王を乗せた馬車は西の国境に向かって進んでいた。
イナカ「どういうことですか!?30万の敵兵にたったの3人で突撃するというんですか!?」
国王「問題ない、私一人で十分だ」
馬車が西の国境付近にたどり着くと、その向こうには大量の帝国軍が待ち構えていた。
それを見た国王は馬車を降り、歩いて敵兵の方に向かった。
イナカ「無茶だ!!」
サンダー「いいから黙って見てろ」
敵兵がショタ国王に気付くと、彼らは二つに分かれて道を開けた。
そしてそこから美しい女性が現れた。
イナカ「あれは…女帝クリミア!!」
彼女は類稀な参謀の才能で、一代にして今のバストロア帝国を築き上げた超やりての女帝である。
イナカ「まさか女帝本人が姿を現すなんて…」
クリミア「久しいな、ショタ国王よ。貴様のそのツラを拝みに来たぞ」
国王「こっちは忙しいんで早急にお帰り願いたいがね。こんなに大勢引き連れて…」
クリミア「偉大なるショタ国王に失礼のないように、大所帯で参ったぞよ」
国王「失礼の意味がわかってるのかね」
クリミア「ふ、相変わらず強気な威勢であるな。それでこそショタ国王ぞ」
イナカ「マズイ…マズイよ」
サンダー「だから大丈夫だって」
クリミアとショタ国王の間に妙な緊張が走り、場は静まる。
敵兵「クリミア様、鼻から血が出ております。ティッシュをどうぞ」
兵士の一人が、クリミアの鼻血に気がつき、ティッシュを献上する。
クリミア「すまぬな。どうも昔から興奮するとな…」
国王「汚ねツラ見せるなよ、くそ女」
クリミアの鼻血が勢いをました。
クリミア「ふふっ、いいわぁ、やっぱりいいわぁ…ショタ国王」
サンダー「なぜならクリミアは重度のショタコンだからな」
クリミア「はあ、もうたまらないわ!!幼きショタで有りながら国王!しかもドエスだなんて…いますぐすり寄って蔑まされながらホッペすりすりしたい!!」
クリミアの鼻血はさらに勢いをまし、とうとうクリミアは貧血で倒れた。
敵兵「クリミア様!!」
敵兵「皆のもの、一旦退却だ!!」
こうしてバストロア帝国軍は去って行った。
イナカ「……」
国王「帰るぞ」
サンダー「はいはい…」
イナカ「………」
サンダー「今回のお話もオチとか特にないですけどいいですかね?」
国王「オチはなくてもいいが、大塚君は登場してもらわねば困る。この話のマスコットみたいなものだからな」
ただただなにも言わずにつったているイナカを放って、二人は歩いて行った。
イナカ「ああ…世界って平和だな」