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言霊游戯  作者: 尾岡れき
46/50

壊れた人形のような目で



壊れた人形のような目で

僕は貴方を壊したくなる。


 


 


 


 


 


狂った心の底辺をドコに落とせばいいの?


堕とせばいいの?


 


 


 


 


 


壊れた人形のような口で

僕が貴方に囁く言葉


 


 


 


 


 


夢の中の囁き

ささやかな声で?

ささやかな悪夢?

ささやかなささやきで

悪夢に酔う

ささやか悪酔いで


 


 


 


 


 


壊れた人形のような耳で

言語情報全てノイズ

ゆえに忘却

現実、消却

スチール三脚で届く月

手を伸ばしても届かない

爪先立ちしても届かない


 


 


 


 


 


やがて月の海は枯れ

涙の泉で僕は溺れていたから


 


 


 


 


 


たった一粒の純粋すら殺せるね?


 


 


 


 


 


 


 


 


壊れた人形の心臓部

軋む歯車

錆びついた動力炉

停止した信号

動けない肢体

喋ることの無い口

開くことの無い目

聞くことの無い耳

 


 


 


それでいい。


 


 


 


 


 


壊れた人形のような目で

僕は廃棄物処理場でヒトリ

 


 


冷たくなった人形を抱いてヒトリ


 


 


 


きっと貴方に出会った瞬間から間違いは回りだして

ヒトリの人形が

静かな悪夢を呟くから

壊れた人形のような目で

ヒトリ。

色のない空を見上げていたんだ


矢口様リクエスト(え?)

虚無をテーマにした20代の頃の詩はないかなぁ、って事でストックを漁ってみました。こんなのどうです?

虚無というより空虚に近いかな? 今はどうしても希望を添えてしまいますが、どうしようもない「今」を露骨に書いてみるのもいいかなぁ、なんて思ったり。リクエストをくれた矢口さん、有難う御座いました!

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