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言霊游戯  作者: 尾岡れき
31/50

つぶやき

「つぶやき」


つぶやいただけじゃ、誰にも届かないね?


 


 


「聞こえた?」


声って不思議。

その色で心の底辺を届けれる

不思議な魔法。

声を聞かせて。

僕の声、聞こえた?


 


 


「魔法」


そんなモノは無いと笑った大人の横を

通り過ぎていくイタズラ好きのフェアリーテイル

彼女のかけた魔法は

僕の涙の色によく似た雨?


 


 


「雨」


雨の季節の似合う人

貴方と出会ったとき

僕は確かに救われました

雨の季節の似合う人

僕は傘をなくしました。

しばらくは一人で立たせてください。


 


 


「一人」


一人で立つことは悲しいから

一人で立つことは苦しいから

一人で立つことは嬉しいから

一人で立つことは奇跡だから

一人で立つことは魔法だから

一人で立つことは始まりだから

一人で立つことは終わらないから

僕はこの場所に立ち続ける


 


 


「終わらない」


endless

スタッフロールの流れることの無い映画では

手の触れることの出来ない恋人と僕の滑稽なデカダンス

キスまですぐ。

それは夢。

瞬間は永遠になると?

永遠は瞬間になると?

endless


 


 


「瞬間」


この瞬間

呼吸していること、それが全て

この瞬間

貴方を愛した事、それは腐敗

この瞬間

僕が泣いたこと、それは陳腐

この瞬間

貴方は今、幸せ?


 


 


「幸せ」


幸福論について考えよう。

幸せの価値について。

それは開かぬ蕾のようなもの。

貴方は間もなく、花を咲かせる。

僕はそうだね、つまらない時間を浪費する前に

灰にしてしまおう。


 


 


「蕾」


貴方はどんな表情で笑っているのか分からないけど

きっと蕾が花開く瞬間のように

誰かに笑っているのでしょうね。

僕はその花に見とれて

どんな顔で笑うのでしょうね?


 


 


「笑い」


素直に笑えなくなったのが

大人の証拠?

素直に泣けなくなったのが大人の証拠?

「空も飛べるはず」

と語った少年時代。

別れた断片。

広げた翼で

もう飛びだしているんだよ?


 


 


「空」


あおいあおいそらへ

ぼくをとばしてください

あおいそらへ

だれもいないそらへ

くもひとつないそらへ

そらのあおさが

あおすぎたあおさが

せかいのおもさにしずまない

そのまえに


 


 


「青」


それは僕の血の色?


 


 


「血」


指を切って

血を流して

呆然と

あ、生きてる


 


 


「生きてる」


生きてる人、死んでる人

その差は何ミクロン?

僕はどっち?


 


 


「差」


貴方との距離が遠いというだけの差で、

貴方に心が届かない

もしも僕が傍で貴方に愛を告げたら

貴方はどんな顔で笑うのだろう?


 


 


「心」


がらんどう

その胴体

穴をあけて

やっぱりがらんどう

そりゃそうか、僕に心なんかあるわけないや


 


 


「穴」


秘密の穴をあけて

見た世界は

純白の天使が微笑む楽園

天使は笑う

残酷に

天使は抱きしめる

残酷に

天使は呟く

残酷に


 


 


「つぶやく」


さよなら。

さよなら。

大切な人。

さよなら。

さよなら。

優しい人。

さよなら。

さよなら。

優しい人。

さよなら。

さよなら。

大切な人。

さよなら。

さよなら。

過去の人。

さよなら。

さよなら。

昨日の僕。


 


 


 


 


 


 


 


さよなら。


 


過去詩より。2002年らしいよ、書いたの。当時の僕の悩みは、今から考えるとちっぽけなモノで、手を伸ばしても届かないかもしれないけど、手を伸ばさないと届かないぞ、って今は思う。そして手を伸ばして届いて、今、運命共同体は2人の生命を育んで、がむしゃらなローリング・ストーンで前を向いてるぞ、っと。まぁ、そんな感じですね。うん。

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