29/50
風化
風となって
走り抜けて
過ぎ行くがままに
吹き揺られるがままに
砂埃が舞い上がるままに
雲の上の空中都市が落ちて
眠り姫は息絶えて
風となって
化かされて
化かし合う
身じろぐ事もなく
流される事もなく
忘れる事もなく
廃墟が崩れ落ちて
それでも
抱き締めた
芽か目覚め
風となって
消えた人が
残した言葉
物悲しくて
笑ってみた
音符の羅列
いつかまた
会えるから
手を振って
目を開いて
風化した町で
刻んだ言葉を残して
>>>>>>>>>>>>>>>>
またしても過去詩。探せばあるもんだ、と。少し懐かしく、今の僕には書けない空虚感かなぁ、と思いながら。




