18現目『ストロベリー的なパニック』
【堀川構成】
【2018年 4月7日(土)・13時20分】
「零視点」
あれから映画館と同時提携してある、一階の飲食店コーナーに着いた。
正直、この人ごみで落ち着けないが、ここの飲食店コーナーも映画館と一緒で学生感謝デーが適応されていて、映画のチケットと学生証を見せると割引てくれるので、俺達学生には大助かりである。
どうせ上映するまで一時間近くも余っているので、柚菜と昼食をとるレストランを話し合った結果、時間を有効利用する為に一番長蛇の列ができているレストランにする事にした。その方が美味しい料理が食べれると思ったからだ。
「ようやく落ち着けるね」
「そうだな。流石に人ごみはもうクタクタだよ」
柚菜の服がはだけたり、人ごみに押されて柚菜と密着したりと、胸の鼓動がバクバクものという意味でな。
「零君は、もう決めたの?」
「うーん、ここのオススメメニューにしておくわ」
考えるのが面倒になってきた。評判がいいんなら何でもいいだろう。
そしてお互いにメニューが決まったので、呼び出しベルを押した。
そこで来た店員は、他のチェーン店にいる店員とは違う、可愛いらしい女性がこちらに来た。柚菜の方が可愛いらしいが。
「ご注文は、何にいたしますか?」
「私はフレンチセットでお願いします。」
「俺は、オススメメニューでお願いします。」
何故か店員は営業スマイルとは違う、ニッコリした笑顔になっていた。
「《オススメメニュー》でありますね、かしこまりました。以上でよろしいでしょうか?」
どうしてオススメメニューという単語を強調して、しかも何であんな満面な笑みなんだ?
「それでお願いします」
その後、ウキウキな感じで女性店員はキッチンの方へと向かった。
「何か、変なものでも頼んだのか?」
「メニューを見れば分かるんじゃない?」
「そうだね」
そうして俺はメニュー表を開いてみて始まて、何故女性店員がウキウキにしたのか分かった。
「これって……!」
俺がどういうメニューなのか確認して、あの店員がメニューを頼んだものにしては早く注文したものを届けて来た。
「こちら、LOVE×LOVEドリンクとなります」
「「……!?」」
二人分のイチゴ牛乳で、それはもうカップルを意識したペアストローが刺さっていた物を。
しかもハート型のピンク色の奴を。
とんでもない物を頼んでしまった……。
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【焔伽構成】
【2018年 4月7日(土)・13時30分】
店員さんがサービスでプレゼントしてくれた「LOVE×LOVEドリンク」を見る。
ストローがハート上に巻かれていて、それはまさに恋人同士が抱きつきあってる感をイメージさせる。
うん、これって一緒に飲み会う訳だが、その際の顔面距離間はとてつもなく近くなる。
柚菜とそんな行為……やべぇ、実戦した訳じゃないのに緊張してきた。
頬が紅くなっているのを感じる。
柚菜も同じ気持ちらしく、頬を染めながら下を向いて黙ってしまっている。
それはそうだ。恋人でもない俺と、こう言った雰囲気になるのは気まずいだろう。
「……みよ……か……」
「? 何か言ったか?」
柚菜が小さい声で何かを言ったように聞こえた為、聞き直すことにしてみた。
すると柚菜はさっきより頬を真っ赤にし、瞳を潤ませながら俺を上目遣いで見つめてくる。
「一緒に…飲んで見よっか……」
「……」
「……零君?」
「……あ、ああ!ごめん」
やべぇ……一瞬意識が飛んでた。
心臓がドキドキして収まる気配がない。
というか柚菜の上目遣い癖……恐らく昔の甘えたい心の名残なのだろうが、男殺しにも程があるぞ。
いや、それよりも今なんて!?
「今なんて?」
ついモノローグで思ってたことが口に出てしまった。
柚菜は「その……」と控えめに口を開く。
「い、一緒に、ら、ラララ、LOVE×LOVEドリンク飲も……?」
……っ! さっきより際どい発言になってしまった。
そこまで言われて断れる程、俺はクールな男じゃあない。
俺は柚菜に動揺を悟られないように冷静に言葉を返す。
「そうだな……飲みゅか!」
あのぉ……最後噛んでしまったことはスルーしてくれまいか?
『to be continued』




