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17現目『進撃の柚菜』

【焔伽構成】



【2016年 4月7日(土)・12時05分】



零視点



あれから歩いたり、パスに乗ったりしてようやく映画館へと到着した。


ここの映画館は毎週土曜学生感謝デーを開いていて、一本1000円で観れるお得な場所だ。


近くに高校が三ヶ所あるせいか、よく高校生が利用してくれる為設けられたサービスのようだ。



やむ無いサイフ事情に困る俺達学生にとっては、最高のサービスである。


しかも高校生限定ではなく、学生サービスなので、小中高はもちろん、大学生や専門学生等も年齢問わずサービス対象となるのだから素晴らしい。


故にこの映画館━━━ほぼ全ての時間帯が混んでるわけで、今も長蛇の列を並んでいる所である。


疲れる上に暑い……。クーラーは効いている用だけど、流石にこれだけの人数ともなると熱気が半端じゃない。


俺は柚菜の事が気になり、様子を見ると目を見張ってしまう。


柚菜は暑いせいか、首

もとの服をパタパタさせ、風を服の内側に送り込んでいる仕草を見てしまったからだ。


隙間から見える胸、決して大きいわけではないが、その色白い美乳に(したた)る汗が何ともエロかったのだ。


心臓が高まり、ばっと目を反らしたが、今度は俺のそんな仕草を柚菜に見られたみたいで、顔を下から覗き込ませてきた。




「どうしたの?

零君、顔真っ赤だよ?」


「あぁ、余りにお前が魅力的なものだから、つい見惚れてしまったよ」


「え……?…ぁ…うん……ありがとう」




頬を紅潮させながら答えてくれた柚菜だ。


あれ? 冗談のつもりで言ったんだけどな。いや、可愛いし、見惚れてるのは嘘ではないんだけど、充分に魅力的で可愛いんだけど……あれ?



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



柚菜視点



【武装ネコ構成】



【2016年 4月7日(土)・12時20分】



零君に言われた言葉が私の中で何

度も反芻する。


高鳴っている胸の鼓動がさらに速くなっていき、頬が紅潮するのが自分でもわかる。


率直に今の私の気持ちを言うと、零君に可愛いと言われてとても嬉しかった。


言葉にし切れないほどに気分が弾み、温かい気持ちがじんわりと胸に広がっている。


じっとしている事ができなくて、気付けば私はセーターの端をくしゃくしゃと握り締めていた。


それは取り留めもない、ちょっとした仕草だったのだけれど、その仕草は私の心情の全てを表していた。


零君の事が好き。


その想いが私の仕草になって表れていたんだ。


本当は零君に想いが伝わってほしいけど、今はその仕草だけで精一杯。


言葉になんか出来やしないから、私は知らず知らずの内に意思表示をしていたのかもしれない。



零視点--------------



やべーよ……やべーよあれ、超怖ぇえよ……。


俺がちょっと柚菜を褒めてから全く話さなくなったし、セーターの端をくしゃくしゃになるまで握り

締めてるし、これってもしかしなくても、「怒ってる」って事だよな……。


柚菜が俺に対して怒ってるって事だよな……!


こ、怖い!


さっきの言葉がどうして柚菜の逆鱗に触れてしまったのか、全くわからないが、とにかく謝る事を考えなければいけない。


さもなくば、俺に明日はきっと、ない。


「ぜ、零君……順番回ってきたよ」


「は、はい!」


柚菜の控えめな声に脅えながら、俺は慌てて返事をした。


背中に突き刺さる柚菜の視線を、痛いほどに感じながら先を歩いた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━



【焔伽構成】



【2016年 4月7日(土)・12時35分】



一先ずチケットを購入することは出来た。

観る映画は“黄昏の姫宮”と言われるミステリアスラブストーリー、何でも主人公が犯罪者であるヒロインに恋してしまう話らしいのだが、そこにどういった恋愛フラグが生まれるのか全く予想出来ない。



確かにミステリーかもな。


しかし、こう言ってはアレだけど、正直面白くなさそう。

柚菜は「面白いから一緒に観よっ」と、俺の袖をぐいぐい引っ張って来るものだから、つい吊られるがまま購入してしまったけど、今になって後悔してきた。


そんな俺の心境を察してか、柚菜がまた下から上目遣いで「零君、つまらなそう……」と、眼をウルウルさせながら問い掛けてきた。




「ハハハ、何を言っているんだ?

俺は超楽しんでるよ!柚菜はどうだい?」




……また、やっちまった……。


どうも俺は焦ると見栄や虚勢を張ってしまうみたいだ。

それと柚菜の上目遣いには一生勝てる気がしない。

これでも昔はじいちゃんの道場で、武術を足しなんでいたから見られる事に関しては慣れていたけど……柚菜には勝てない。


すると柚菜は、ニコッと笑顔を見せてくれた。




「私も楽しいよ。

……大好きな零君と一緒だから……」




最後の方が何て言ったか小

さくて聞き取れなかったけど、楽しんでくれて何よりだ。




「それじゃ、上映の14時まで時間もあるし、昼食にするか?」


「うん、そうだね」



俺達は少し照れながらも、近場の飲食店へ向かうことにした。





『to be continued』

 

作者一同より


メタネタ嫌いな人、本当すいませんっしたーー!

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