Story 8
昼休みー
「……」
姫那はうどんをすすった。
虎雅が好きな天かすとねぎがたくさん入ったうどんだ。
「そんなにねぎ食べたら臭くなるよ」
「美味しいからいいんです」
わたしのせいで虎雅さんが……
1週間の我慢って言ってたけどつらいな……
「河合さんって今好きな人は?」
「います」
「へぇ……」
葛本は小さくうなずいた。
✱✱✱
夜、姫那は葛本と共に家に帰った。
ほんとに家に入ってくるんだ
「綺麗にしてるんだな」
「まぁ……」
「シャワー借りていいか?」
「えっ」
彼女は少し嫌そうな顔をした。
「仕方ないだろ」
「……」
これが1週間続くの?
キツイ……
「いつも何時に寝るんだ?」
「11時です」
「早いんだね」
「そうですかね」
姫那は小さく息を吐いた。
「俺リビングで寝ていい?」
「どうぞ」
「ありがとう」
できれば車で寝てほしいけどね
とは言えない……
彼女は溜め息をついた。
✱✱✱
出勤も昼休みも葛本と一緒なので、姫那はストレスを感じた。
「しんど」
もちろん帰りも一緒。
まだ2日目。
ということはこれがあと5日も続く。
苦痛でしかない。
ピピ
葛本は助手席のドアを開けた。
「乗って」
「はい」
姫那は助手席に乗る。
葛本は運転席に乗った。
「大丈夫?」
「はい」
「ストレスは良くないって言うからたまに解消するんだよ」
「はい」
彼女は視線を落とした。
✱✱✱
『元気ですか?』
ご飯を食べたあと、虎雅にメッセージを送った。
『元気やで!姫那は?』
『まぁまぁ元気です』
『なんかあったら言いや?駆けつけるから』
姫那は目を細めた。
『はい!』
「河合、風呂入らないのか?」
「入ります」
虎雅さんと1日会ってないだけで寂しい……
早く1週間経ってくれたらいいのに
虎雅さんに会いたいよ
彼女はバスルームへ向かった。
✱✱✱
姫那はリビングに戻ってくる。
「河合、髪濡れてるんじゃないか?」
「ちゃんと乾かしましたよ」
「まだ濡れてる気がするが」
葛本は彼女の髪に触れた。
「乾かしました」
姫那はそっと彼の手を払いのけた。
「風邪引かないようにな」
「わかってます」
「……河合、今彼氏いないんだってな」
姫那は目を丸くした。
ゾクッ
嫌な予感がする。
「年上は好きか?」
「……」
「俺を彼氏候補にしないか?」
「何言ってーー」
姫那は慌てて振り向いた。
至近距離に葛本が立っていて、鳥肌がたった。
「嫌です」
「どうして?」
「嫌なものは嫌」
姫那は葛本をにらんだ。




