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Story 4

姫那ひな虎雅たいがを避けるようになって1ヶ月ーー


姫那ひなは夜まで残業をしていた。

オフィスには彼女と虎雅たいがしかいない。


「姫ちゃん」

「はい!」

「お願いがあんねん」


姫那ひなは彼の方を向いて、首をかしげた。


「俺、彼氏の第1候補になられへんかな?」

「へ?......あの、そういうからかいやめてください」


虎雅たいがは驚いた顔をした。


「からかってるつもりないねん。ほんとに思ってて」

「わたしみたいなのが先輩と付き合えるわけないじゃないですか。ペーペーですよ?」

「そんなこと関係ない」


彼は近寄るとしゃがむ。


「好きなんや。姫ちゃんのことが大好きやねん」

「えっ」

「だから姫ちゃんが彼氏と別れてからさりげなくアピールしてるのに気付かへんし。逆に避けられたし」


虎雅たいがは小さく溜め息をつく。


「それは......気まずくて......」

「好きじゃないから避けたん?それとも好き避け?」

「......ノーコメントで」

「答えてや」


彼の真剣な眼差しに目がそらせない。


「......後者です」

「ほんま?」

「わたしでいいなら、第1候補にしてあげます」


虎雅たいがは小さくガッツポーズをした。


「ありがとう!よっしゃ!明日から仕事頑張れる!」


彼はデスクに戻った。


「仕事切り上げて帰ろか。家まで送るわ」

「あっ、はい。ありがとうございます」


ふたりは仕事を切り上げると、部屋を出た。


✱✱✱


虎雅たいが姫那ひなは彼の車に乗る。


姫那ひな

「へ!?」

「って呼んでええ?」


彼女は顔を赤くして小さくうなずいた。


姫那ひな


虎雅たいがは彼女の髪を右耳にかけた。

熱っぽい目で見つめる。


「......」


姫那ひなは恥ずかしそうに見つめ返す。


「......行こか」


虎雅たいがは車を走らせた。


今の間は何だったの!?


姫那ひなは戸惑った。


「今キスされると思ったやろ?」


ドキッ


「お、思ってません!」

「絶対思ってた。欲しそうな顔してたもん」

「し、してませんって!」


虎雅たいがは声に出して笑った。


「して欲しいんやったらしたる」

「い、いいです!」


少しして信号で停まった。


「こっち向いて」

「やです」

「ええから」


しぶしぶ虎雅たいがの方を向いた。

すると顔が近づいてくる。

目を閉じようとすると、彼は姫那ひなの額に口付けた。


「!」

「あはは!残念やったな!くちびるじゃなくて」

「もう!先輩なんて嫌いです!」

「先輩やなくて虎雅たいがやろ?」


鼓動が高鳴る。


虎雅たいが......さん」

「ははは!顔真っ赤!」

「もう!」


ふたりはクスッと笑った。

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