Story 2
次の日ー
「おはよーさん」
虎雅が出社してくる。
「姫ちゃん、おはよ」
姫那はキーボードを打つ手を止めた。
「おはようございます!」
虎雅は顔を近づけた。
「えっ」
虎雅は「よう寝たか?」と耳打ちした。
「あっ、はい」
「それは良かった」
彼は笑みを浮かべた。
「健康の秘訣は睡眠やからな」
「そうですね」
「みんなもあんま詰めすぎずにいきや〜」
虎雅は自分のデスクに座った。
彼女は目を細めた。
✱✱✱
姫那は「えいっ」とスマホをタップした。
『わたしたち別れよう』
少しして彼氏から連絡が来た。
『ずるずる関係続けててもしょうがないしな。バイバイ』
姫那は顔を机に伏せた。
「終わった......」
虎雅は食堂に入った。
視界に机に顔を伏せる姫那が映る。
「......」
彼は視線を落とした。
「あ〜これでひとり身だ。我慢しとけば結婚できたかもしれないのに。いや、あの感じだとないか。ってことはどっちにしろ一生独身!?」
彼女は大きな溜め息をつく。
「ここ空いとる?」
目の前に虎雅が現れ、彼はうどんをのせたお盆を持って座った。
「お疲れ様です」
「お疲れさん」
「今の聞いてました......?」
「がっつりな」
姫那は苦笑いした。
「それで昨日落ち込んでたんか」
「はい......つまらない女って言われてしまって。なんか、向こうはカラダ目的なのかなとはずっと思ってたんですけど」
「そうなん?」
彼女は小さくうなずく。
「わたしはそういう気分じゃないのに迫られてしぶしぶ......みたいな。ほんとは少し怖かったんです。でも、別れる勇気がなくてずるずると」
「サイテーな男やな」
「あっ、こんな話男の人にしてしまってすみません!」
虎雅は首を横に振った。
「ええよ。気にせんとって」
「クズ男?だったんだろうなぁ」
「そやな。ぶん殴ってやりたいわ」
彼は思い切りうどんをすすった。
姫那は目を見開く。
「女性を傷付けるのはあかん。それにかわいい後輩をこんなに傷付けられて腹立つ」
「か、かわ!?」
虎雅は「会ったら覚えとけよって感じやわ」とつぶやきながらうどんを食べる。
「あの、ありがとうございます」
「俺もっと姫ちゃんの話聞きたい。もっと知りたい」
彼の真剣な眼差しに鼓動が高鳴る。
「なんで、そんなに......」
「興味あるからやん」
「わたしつまんない女ですよ」
「それはわからんやん」
姫那は目をそらした。
「それに、ダメじゃないですか。他の女性に興味持ったら。彼女さんに怒られちゃう」
「俺彼女おらんで?」
「えっ!?」
彼女は驚いた顔をした。
「絶賛募集中やねん」
「そうなんですか」
「やからさ......これはのちのちでええか」
彼女は首をかしげた。
「ごちそうさん。はよ食べや。昼休みなくなんで」
「あっ、はい!」
虎雅は立ち上がる。
姫那は急いでカツカレーを食べた。




