表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/15

正体

マーム帝国の隠蔽者という者が、魔王城に侵入してきた。姿は見えず匂いもわからず、なすすべない。この魔王国の危機をどう乗り越える!?

「みなみな様、あせらずあせらず。」

聞き覚えのない声、隠蔽者の声だ。その声はどこから発せられるでもなく脳に直接響いているような感じだ。

「・・・どこにいる!?」

我はそう部屋に叫ぶ。

「これはこれは、魔王陣営のトップともあるお方がその程度じゃ、魔王国に勝ち目はありませんな。」

「そんな話をしているのではない。どこにいるのかと我は聞いているのだ。」

「はぁ、そんなの私が教えるわけないじゃないですか。捕まえたなら、あなたたち私のことすぐ殺すでしょう。」

なぜだろう。先ほどから我の考えが見透かされているような気がする。これほど強力な隠蔽術も過去に見たことがないし、本当に人族なのか?

「殺すよりも、まず話だ。聞きたいことがある。」

「今言ってみればいいじゃないですか?」

・・・妙だ。なぜあんなにも冷静なのだ?ここは魔王城だぞ。我が焦りすぎているだけなのか?

「それは貴様を捕まえてからだ。」

「私は今日はずっとここにいましょう。捕まえれるものなら捕まえてみてください。」

          ★

これはまずいことになった。隠蔽者というマーム帝国の人間が魔王城に入ってきたのだ。

そして、この地下にいるはずなのに姿は全く見えない。今、先代魔王が魔法で地下を破壊しつつ隠蔽者を探している。隠蔽者は、今日は動かないと言っていたから、地下を全て破壊すればそのうち隠蔽者に攻撃が当たるだろうと、先代魔王は思ったのだ。ユメミルが、カイト様は知能が低いって言ってた理由も納得する。

「ユメミル、魂に干渉出来ないか?」

先代魔王は、地下の壁をぶち壊しながらそう言った。

「一応やってみますが、・・・あまり期待はできませんよ。」

「かまわん。」

その時

パァッン!!

でかい音がなった。僕は何事かとおもってあたりを見回すと音の原因を見つけた。

「・・・!?」

ユメミルの右手が破裂した。

「・・・・・・ユメ・・・ミル?」

その場にいるただ一人を除いてみんな驚き、困惑していた。

「下手なことはやめといたほうがいい。私の魂に干渉できるのは私だけだ。」

隠蔽者の低い声が脳に響いた。

「どういう・・・事だ?」

「ん?あの老人がたんに力不足だっただけだよ。私は抵抗していない。」

ユメミルで力不足?そんなはずはない。ユメミルは、魔王軍の第一幹部。魔王国の実質的な二番手だぞ。そのユメミルで力不足なんて、あの隠蔽者本当に何者なんだ?

と、その時。近くからとんでもない魔力を感じた。その正体は先代魔王だ。見た目は魔王そのものだが、性格は魔王っぽくない。仲間を傷つけられるとめちゃくちゃ怒るタイプだ。

「・・・おい、貴様本当に、生きて帰れると思うなよ。」

その先代魔王の殺害予告に隠蔽者は笑った。

「はは、まだ居場所すらわかっていないのにそんな事を言うのかい?だけど、本気で怒らせるとめんどくさそうだ。」

「・・チッ」

先代魔王が舌打ちした。これは、初めて見る、本気の怒りだ。

「おぉ~、怖い怖い。まぁいいや。一つヒントを出してあげるけどね、私、実は人族じゃないんですよ?」

「・・・」

「・・・やはりか。」

先代魔王は、何か心当たりがありそうだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ