表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/15

魔王国の危機

エルフの森から魔王城へ帰る魔法陣に乗る時、突如としてマーム帝国のスパイを名乗る隠蔽者が乗り込んできた。

「なっッッ!!」

次の瞬間魔法陣は僕ら三者を乗せて、魔王城へワープした。

「あ、カイ様、カイト様。おかえりなさ・・・」

「カイ!!無事か!?」

帰ってきたのは、行くときと同じ、魔王城の地下。そこには、ユメミルと魔王の妻たちがいた。

「カイト様??」

「・・・・・・ああ?」

僕らがあたりを見渡すと、その隠蔽者という者は、ここにいなかった。帰りの挨拶もせず、僕の心配をした先代魔王を心配した目で見ている、ユメミルや魔王の妻たちに事情を説明した。

「そ、そんな事が!?何もなかったですか!?」

「そのマームの隠蔽者という者。・・・ただものではありませんな。それよりカイト様。魔法陣に載っていたとすると・・・」

「・・・ああ」

先代魔王がつばを飲んだ。

「・・・そいつはまだここにいる可能性がある。」

「!?」

          ★

なんでこうなったのだ。

我なりに最大限の注意は払ったはず。

普通、人族は魔王城に入れない。魔王城には、魔王軍幹部が管理している結界がはられていて、それは、幹部が結界を自分で解かない限り、壊せるものではない。だから魔王軍幹部がいる限り、人族が魔王城に入れることは、一切ない。

だが、魔法陣で、直接ワープしたとなれば話は別だ。魔法陣は、時空の歪みを使って移動している。それはつまり、魔王城の結界をスルーできると言うわけだ。

事実、魔王城についたあの一瞬、まだその隠蔽者とやらの姿が見えたのだ。

「こ、この部屋にいるって・・・どういう事?」

まずいな。カイが怯えている。

「大丈夫だ。相手はそれほど強くない。」

我の予想では、相手は、隠蔽者とういなからして、隠すこと、隠れることが得意だと思われる。強くはないがとても厄介な相手だ。

そもそもなぜ、魔王ということがバレたのだ?姿や匂いは限りなく人族だった。はじめからつけてきていたとしても、ルシアの店に人族が入れることはどうあがいても100%ない。だから、ルシアの店を出た後だ。

「ユメミル、捕まえられるか?」

こういう作業は我よりユメミルのほうが得意だ。

「いえ、気配も匂いも全て消しており、どこにいるかわかりません。ですがこの場にいることは間違いないかと。」

ユメミルでも対処できないか。これは非常にまずい。今はまだ、地下だが、魔王城には、秘密情報がたくさんある。

それに、カイの魔力の穴に問題があり、当代の魔王が魔法を使えないということを聞かれていたとして、それがマームに伝われば、すぐにでも攻め込んでくるかもしれない。そんな襲撃を受ければ魔王国の危機だ。ユメミル以外の幹部が遠征中のこの時に。

「・・・逃がすわけにはいかねぇなぁ。」

そうは言ってみたものの、思いつくてはない。この危機をどう乗り越えるか。


ブクマや評価、感想書いて頂けるとありがたいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ