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魔力の穴

僕の体をルシアに調べてもらい、魔法能力と魔力量は、魔族の中でも高水準なことがわかった。だけど最後に魔力の穴が小さいと言われる。

「魔力の穴ってなんですか?」

僕は疑問に思ったことをそのまま聞いていた。

「魔力の穴とは、魔力を出す器官の事です。魔法適性が高い方の魔力の穴が小さいと、魔法が詰まってうまく使えなかったり、魔力が暴走してしまうことがあります。」

なるほど。それはまさしく、魔王城で魔力を使った時に起こった出来事と、とても一致している。

「魔力の穴を広げることはできませんか?」

「魔力の穴は、普通に生きていれば広がっていくと思います。ただ、あまり大きい魔法を使うのは避けたほうがいいかと。魔力の詰まりが原因で最悪死んでしまいます。」

恐ろしい。異世界転生して、勇者ではなく魔王になり、得意だと思っていた魔法は、魔力の穴が小さいという原因で魔法がうまく使えない。僕は少し気がめいる。

「ルシア。礼を言う。じゃあそろそろ我らは帰るとしよう。」

「お役にたてたなら結構です。・・・またのご来店を。」

僕と先代魔王は、外に出る。暗い店の中にいたから、外のあかりが、さっきより眩しく見えた。

「カイが、魔法を使えない理由は魔力の穴の問題だったのか。」

先代魔王は、含み気味にそう言った。

「なにか知ってるの?」

「実は我も昔魔力の穴が小さいと、言われたことがあるのだ。もう何百年も前の話だがな。」

それは、初耳だ。・・・ならこれは遺伝なのだろうか?

「我の経験だが、魔力の穴を広げる一番早い方法は、小さな魔法でも毎日使い続けることだ。」

「小さい魔法?」

「そうだ。また後日、ユメミルや、我の弟にでも頼んで教えてもらえ。お前がもし大幅に成長すれば、それは魔王国としても、とても大きな戦力になる。」

やっぱそうだよな。僕がすごい魔法を使えるようになったら、戦争で、僕の力が使われる。あんまり、戦いたくない。

「・・・そういえば、さっきルシアさんの店に入った時、店にいた魔族たちが、人族がここに来れるわけねえって言ってたけどあれってどういう事?」

僕と先代魔王が、ルシアの店に入った時に、店にいた魔族たちは、僕らを見て怯えていた。僕らは人族の姿だったから、姿を見て怯えるのはわかるけど、人族がここにこれるわけないって言ってたのはちょっと僕には意味がわからない。

「あぁ、ルシアはああ見えて結界術の使い手なんだ。ルシアの店とエルフの森の間には、とてもわずかな空間の歪みがある。その歪みがいい仕事してて、あの店には、魔王陣営の者だけが入れるようになっている。」

「へぇ~・・・」

話していたら、ここに来た魔法陣についた。案外ルシアの店と魔法陣は近い。ここに来たときと同じ景色を見ながら魔法陣に乗ろうとした。

その時だ。

ガサッ!!

「やぁやぁ、魔王様。わたくしマーム帝国のスパイ、隠蔽者と申します。」

そう言って、魔王城へ行く魔法陣にマーム帝国の人族が乗り込んできた。


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