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時間を指定して掲載できる機能に気がついたので、実験的に使ってみます。
ディオネを作り出した翌日、俺はとりあえずバカンス気分の女神の事は全て頭から放り投げ、王都内の隠れ家候補地を確認に来ていた。
昨日、ヒルデたちが1人1か所ずつ探しておいてくれたらしいので、順番に見て回ることにする。
「最初は、ヒルデが見つけた場所なんだっけ?」
「はい、必ずや主様のご期待に応えられると確信しています。」
「「あんな所を選ぶなんて頭がおかしいとしか思えませんよ主様。」
「黙りなさい。」
俺がいる時だけは、喧嘩の内容を聞かせたいのか口で口激する3人。
今日は、そこそこの距離を歩き回る予定のためか、3人とも体をオトナモードにしている。
超がつくほどの美人がまったく同じ顔で3人もいて、更に喧嘩してるんだからとても目立っている気がする。
隣に俺がいるというのに、ナンパしようと何人もの男が来ては、
「「「うるさいですね。」」」
の一言で追い払われている。
何をしているのかはわからないけれど、皆股間を抑えて悲鳴を上げながら逃げていくのはなんなんだろうか。
対キンタマ魔術かなにか?
暫く3人の先導で歩いていると、高級店が立ち並ぶエリアに来た。
貴族御用達のお店も数多くあるが、貴族は商人を家まで呼びよせることが多いため、あまり実際に機会は多くないというエリアだ。
サロメと初めて服を買いに来たエリアでもある。
今でもあの服は大事にしてくれてるそうだけど、妊娠したために着れなくなってしまったんだとか。
というわけで、今は妊婦用の服をちゃんとプレゼントしてある。
「ここが、私が選んだ隠れ家候補地です。」
「普通のお店だな。店名は……、ランジェリーショップダロス?」
ランジェリーショップはわかる。
ダロスだと?
「主様の性癖を基に、イレーヌが経営している下着屋です。」
「イレーヌそんな事してたのか……。いや、いいけどさ……。」
そういえば、以前イレーヌに頼まれて俺の好きな下着を色々作って見せた覚えがある。
てっきり自分で着るつもりなんだと思ってたけど、それを基にして商売してたのか。
それは知らなかった。
よくやった!
あ、でもちゃんと自分でも着てくれてたな。
奇麗だった。
「まさか下着屋の地下に主様の隠れ家があるなんて、どんな暗殺者も思わないのではないでしょうか?」
「どうなんだろう……。」
「とりあえず店の中をご覧になってから考えていきませんか?」
そう言って、ヒルデはずんずんと店内に入ってしまう。
仕方なく後に続くけど、自分の名前がついた下着屋に入るのはちょっと恥ずかしい。
イレーヌの名前じゃダメだったんだろうか……?
中に入ると、まだ20歳にもなっていないであろう若い定員数人が迎えてくれた。
皆美人で、とても清潔感がある見た目をしている。
大丈夫?こんなかわいい娘たちが女性用下着売ってる場所に俺が来ても逮捕されない?
そんな中、代表っぽい女の子が挨拶をしてくれた。
「ようこそ御出でくださいましたダロス様。ヒルデ様から話は伺っております。さぁどうぞ店内をご確認ください。」
「どういう風に話が通ってるのかさっぱりわからないけど、うんありがとう。」
奥に行くと、ヒルデが下着を選んでいた。
下着屋なんだから当然だ。
「いや、当然じゃないよな?俺たちは隠れ家探してるんだもんな?」
「主様、隠れ家にするのであればちゃんとこの店の調査をするのは当然です。なので、私が下着を試着し、主様がそれを確認するのも当然なのです。」
「それは確かに。」
「「やってくれましたね!主様!私も試着します!」」
そう言って、3人はそれぞれに店員を引き連れ試着室に向かった。
こうなると、俺には何もできる事は無い。
なので、さっき挨拶してくれた代表っぽい店員に話を聞いてみる事にした。
「この店っていつからやってるの?」
「4カ月ほど前からですね。最近では、貴族のお客様も増えてきており、中々の売り上げですよ。平民には、まだまだ浸透しておりませんが、ダロスブランドの下着は、現在王都でじわじわとブームになっております。」
「ダロスブランド……。」
また知らない要素が出てきた。
俺はブランドらしい。
しかも、俺の性癖が王都でジワジワ感染しているらしい
いいのかなぁ……。
「我々店員は、使用人として仕えていた家が取り潰されたり、没落した際に働き口が見つからず、困っていた所をイレーヌ様に拾って頂いた者ばかりです。店頭に出ている私たちだけではなく、下着を製作しているスタッフもおり、非常に多くの者が助かっております。メイドの中にも貴族出身の方は多いですが、私たちのように平民出身の者は、どうしても立場が弱いので、こうして安定した職を与えて頂けるのはとてもありがたいと思っております。イレーヌ様と、デザインのアイディアを出して頂いたダロス様には、いくら感謝してもしきれません!」
「あーそうなんだ……。なんかすごい事になってたんだね……。頑張ってな!」
「はい!」
俺が学園行ってる間に、うちの妊婦は色々やってくれてたらしい。
結婚して良かった。
その後、ヒルデたちによる下着のファッションショーが開催され、とても気に入ったために家族全員分のを買ってしまった。
何故か店員たちは、エクレアさんたち含めたうちの家族のサイズを全て把握していたので、多分あっているだろう。
そういや、ここで俺が買い物したら、どういう金の流れになるんだろう……。
まあいいや。
この売り上げも店員たちのお給料に反映されるんだろうし、儲けさせようじゃないか。
予定外の荷物だったため、家まで配達してもらうことにした。
「ありがとうございます!久しぶりにイレーヌ様のご尊顔を拝見できるのですね!」
なんて店員が言っていたけれど、なにこれ宗教?
店を出ると、エイルがずずいと前に出る。
「2か所目は私が選びました。こちらです。」
そう言って先導を始める。
だが、1分もしないうちに目的地に着いてしまったようだ。
同じ並びの2軒先の店だ。
「ここが、私が選んだ隠れ家候補地です。」
「なんか……、怪しくない?黒魔術バンバン使ってきそうな魔女が一人で切り盛りしてそうな……。」
なんだろう……、紫色のオーラが出てる気がする……。
店名は……、薬屋ダロス?
「ガラテアの薬学知識を基に、ポーションや各種薬品を販売しているイレーヌのお店です。」
「また随分特殊なの選んだな?」
多分、俺一人だったら絶対に入ろうとは思わない店だろう。
だって怖いもん。
一回入ったら二度と同じ姿で外に出られなさそうだもん。
「まさか怪しい薬屋の地下に主様の隠れ家があるなんて、どんな暗殺者も思わないのではないでしょうか?」
「そうかなぁ?」
「とりあえず店の中をご覧になってから考えていきませんか?」
エイルが店の中に入っていくので、またもや仕方なくついていく。
店の中に入ると、案外広くて清潔感のあるお店だった。
いやいや、外観もこんな感じにしておけよ。
「ようこそ御出でくださいましたダロス様。エイル様からお話は伺っております。こちらが、ご予約いただいた媚薬でございます。」
「ありがとう、助かる。」
先ほどの服屋の店員と変わらないくらい若い女の子が、薬入りと思われる紙袋を渡してくれた。
魔女みたいな見た目の女の子だなぁ。
確かにすごく効く薬を売ってる雰囲気はあるな。
え?媚薬?なんで媚薬?
「媚薬って、どの程度の効果があるの?」
「これは男性用の物です。これを飲めば、一晩中ギンギンになりますよ。合法的な素材しか使っていないのですが、とにかく効果が強いのと、素材がとても貴重で高価なために一部の貴族の皆様にしかご案内していないものです。ただし、ダロス様のお家の場合、大量の珍しい素材をご家族で収集して頂けるため、我々若手の魔術師や錬金術師にとっては、とてもありがたい修練の場となっているのです。本当にありがとうございます!」
「あ、うん。女の子があんまりギンギンとか言わないほうがいいよ?」
イレーヌは、若手の育成も積極的にやっているようだ。
行き当たりばったりでヤベーのとぶつかってばかりの俺とは違うなぁ……。
その後、媚薬を俺に飲ませようとするエイルたちをなんとか躱しながら店を出る。
これは、使うべき時に使うから今はダメだ。
あれ?店内の確認とかしてないぞ?
「最後は、私が選んだ場所へご案内いたします。」
そう言って、スルーズが先導を始めた。
今までの流れ的に、またどこかのお店なんだろう。
次は何を買わされるのか。
別に空き家とかで良いんだけども……。
そして向かった先は、先ほどの下着屋と薬屋の間の店だった。
「ここが、私が選んだ隠れ家候補地です。」
「甘味処ダロス?」
とうとう甘い物を売り出したんだなダロスさんは。
手広いなぁ。
「ナナセの料理知識を基に、甘味を出しているイレーヌのお店です。」
「ホイップクリーム多めなのかな?」
「そういう注文もできますよ。」
店の外からでも店内が広く見渡せる造りは、確かに人気の出そうな開放的な感じだ。
少なくとも、飲食店の基礎はできているように見える。
だが、味はどうかな?
「まさか王都でも人気の甘味処の地下に主様の隠れ家があるなんて、どんな暗殺者も思わないのではないでしょうか?」
「もう隠れ家の事は一旦いいから中入って食おうぜ。」
「とりあえず店の中をご覧になってから考えていきませんか?」
いや、入る前から店の前のメニュー表ガン見してるじゃねぇか3人とも。
店の中に入ると、女性客が目立つ店内には、とても甘い香りが漂っていた。
メニュー表を見る限り、色々な甘味を取り扱っているようだけど、はてさて……。
すぐに、俺と同い年くらいの若い女性店員がやってきてくれた。
「ようこそ御出でくださいましたダロス様!スルーズ様からお話は伺っております!予約席へご案内しますね!」
「予約してたのか。」
「「「当たり前です。経営者のコネで予約しないと1時間待ちですよ?」」」
「3人とも確信犯か……。じゃあもうここの地下でいいんじゃないか?」
「「「それより早く席について注文しましょう。」」」
そうだな!
結局、それぞれがちょっとやり過ぎかなってくらいの注文をして、思う存分食べた。
ヒルデたち3人も、今日に関しては大人モードで行動しているため、以前やっていたバケツプリン理論は使えなかったらしい。
にも拘らず、大満足できる量を食べていた。
「飲み物のおかわりは如何ですか?」
カップが空になっているのに気がついたのか、先ほどの店員がポット片手にやってきてくれる。
注がれる琥珀色の液体は、とても美味しい紅茶だ。
まあ、俺には紅茶だって事しかわからないんだけど。
「ありがとう。結構繁盛してるみたいだね。」
「はい!元々は私の両親が経営していたんですけど、中々人気が出なくてもう閉めようって話になっていた所に、イレーヌ様に店を買い取って頂けたんです。そこからは、店内の改装から新メニューの開発までどんどん行って頂けて、いつの間にかこんなにも多くのお客様にご利用して頂けるお店になりました!両親も自分の作った甘味がこれだけ人気を博し、毎日とても喜んでいます!イレーヌ様と、レシピの原案を作ってくださったダロス様とナナセ様には、家族全員心から感謝しています!」
「そうなんだ?これからも時々くるからよろしくな!」
「ぜひぜひお越しください!」
そういえば、前世の甘い物の知識をイレーヌに聞かれたことあったなぁ。
ナナセと2人で案を出し合ったんだっけ。
まさか、こんな店を経営しているとは思わなかったけども……。
イレーヌ、よくもまぁ色々と商売考えられるな……。
もう社長か何かになった方がいいのでは?
あ、そういや今日は隠れ家にする場所探してたんだった。
でももういいや。
この店3軒の地下を全部繋げて作ろう。
有事の際には、店員たちも逃げられるように各店舗に入口を作っておくか。
というわけで、3軒の地下50mに隠れ家を作った。
流石に王都の中だと、地下30mくらいまでは、通路を通すくらいの空きスペースしかない位遺跡だらけで大変だった。
王都の中で大型のロボットが出せるハッチを作るのは難しかったので、小型のロボット用のエレベーターハッチだけはつけたけど、基本は居住スペースだ。
仮に逃げるとなったら、ここは拠点にするよりも他の拠点に向かうための入り口にする可能性が高いため、数日凌げるだけの物資だけおいて後は特に何もしない。
ここからもTBMで家の地下までトンネルを掘っていこう。
王都内だから、明日にはトンネル開通まで行けるはず。
ゴリゴリと作業を開始するTBMを見送り、外へと戻る。
「良い場所が見つかってよかったな。必要なら甘い物を地下までもっていくこともできるし。」
「「「そうですね主様。それでは、明日はどこにデー…調査に向かいますか?」」」
「明日は、ディとフレイと一緒に公爵家の裏手の森行くよ。」
「「「え!?明日も私たちとデートをするんじゃないんですか!?」」」
しないよ。
絶対太るもん。




