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機械仕掛けの人形師  作者: 六轟
第3章

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50:

雪がすごいです

「こんなにすぐ妊娠させられるとは、流石に思ってなかったっスね……。」

「メイド服と競泳水着が悪い。」


 美少女型の人形は、代謝等も自分でコントロールできるらしく、妊娠しやすい日を調整するのもお手の物だそうです。

 ダロスですこんにちは。


「うわぁ……。この中にジブンじゃない命があるって何か不思議っスねぇ……。」

「お茶会で他家のご婦人方に聞きましたが、案外と妊娠というのは中々しないものだそうですよ。そのせいで仲がこじれて大変な事になるのも日常茶飯事だとか。それに比べてうちのダロス様は……。」

「自然妊娠が難しいと言われた私まで簡単に妊娠させていただけましたし……。」


 なんか……あれだね。

 こういうの目の前で話されると、流石に恥ずかしいね。

 ちょっと興奮するけど。


「主様主様、ディも最近成長スキルのおかげでおっぱいおっきくなってきたよ?」

「主様主様、私も多少揉める程度にはなってきましたよ?」

「お前らこの前までお父様とか言ってたじゃんか。父親と娘はそういうことしないんだぞ。」

「あれは、前も言った通りそういうプレイなので。」

「好きでしょ?」


 ……。


「私は、まだ卵を産める状態ではありませんわ……。」

「ニルファのその体でも卵産むのか?」

「わかりませんわ!ですが、感覚的には人間の体に準拠しているとは思うので、試してみるしかありませんわねお父様!」


 おう!今度な!オスドラゴン探しておくわ!


 妊婦たちを囲んで、女性陣がわいわいしている。

 その中には、エクレアさんまで混ざっている。

 先立たれた旦那との馴れ初めを赤裸々に語り、最近リハビリを終えて家で働きだした元幽霊のエリンがギャー!と悲鳴を出してたりもしていて、中々騒がしい。


 そんな騒ぎを、少し離れた場所から眺める女の子が1人。

 女神様用ボディにして、俺の作り出した美少女型人形ガラテアだ。

 その表情が少しだけ寂しそうで、思わず話しかけてしまった。


「どうした?なんかあった?」

「……何もない。それが問題。」


 なんだ?哲学?


「……主様、私って魅力ない?」

「いや?夜に自室に戻ってベッドにガラテアがいたら、ル〇ンダイブするくらいには魅力的だと思うが?」

「ルパ〇ダイブ?」


 だって女神様が自分を基にして作らせた体だし、魂は普段から俺や家族のために献身的に働いてくれる健気な女の子なんだよ?

 しかも、俺と同じ趣味を持ってる。

 男は、そういう娘みたら無条件で好きになるから。


「……わかった。今夜試してみるね。」

「ただ、嫁たちに確認してな……?俺、この家の中の順位としては多分今3番目か4番目くらいだからさ……。」


 ナナセは、イレーヌちゃんたちに推奨されて関係を持った。

 姫様は、政治的なあれこれと俺の劣情で、土下座せんばかりの勢いでしぶしぶOKを貰った。

 女神様から、ガラテアボディで楽しむ許可は貰ってるけど、流石にこれ以上はどうなんだろうという気もしないでもない。


「……頑張って、お願いしてみる。」

「その時は、俺も頼みに行くから教えてくれ。」

「……うん。」


 ガラテアは、俺が最初期に生み出した女の子だ。

 俺が作った美少女型人形は、俺の体液がとても魅力的な栄養源に見えるそうで、その結果俺も魅力的だと感じてしまう事が多いらしい。

 ガラテアもご多分に漏れず、最初から俺の体液をくれと言っていた。

 ナナセは、ホイップクリームで良いと言っていたけれど、本人曰くアレは我慢していたらしいし。


 同時に生み出したナナセが、今こうして母親になっているのを見て、思う所もあるんだろう。

 アフロディーテ様からの指示で、性交は俺としかできないように設定されてるし……。

 もうずっと結界を張り続けてて、あんまり外にも出れてないだろうしなぁ……。

 メーティスから週1で帰る度にすごい量のプラモが組み上がっててびっくりしたもんなぁ。

 しばらくしたら美少女フィギュアみたいなのも作ってたし。

 ほんと、前世でイメージしてた俺にとっての理想の彼女感はある。

 男はさ、共通の趣味を持った友達みたいな彼女が欲しいんだ。

 結婚となるとまた別かもだけど。


 いや、時と場合と性癖にもよるけどもね?

 たまには、眼鏡に三つ編みの委員長に注意されたい日もあるし、毎朝学校行く前に起こしに来てくれる系幼馴染が良いと思う時もある。


 もっとも、前世だったら告白すらできずに終わったんだろうけど。

 こっちに来てからブイブイ言わせちゃってるけど、前世だとシャイボーイだったからなぁ。

 これも、アフロディーテ様の使徒なんてやってる影響なんだろうか。

 ……あ、そういやアフロディーテ様が顕現したいからガラテアと2人になるように都合つけろって言われたんだっけ?


「ガラテア、アフロディーテ様に顕現してもらうために、どっか2人きりになれる所いこうか。」

「……そういえば、催促してたね。じゃあ、私が生まれた場所にまた行ってみる?」


 5号のとこか。

 アイツは、あの後どうなったんだろうか。

 まだ土ステージのままなのか、それとも研究対象として何かされているのか。

 よし!思い出したら気になってきたから行ってみるか!


「ナナセ、ディにフレイ、ヒルデ、エイル、スルーズ。ちょっとガラテアと出かけてくるから、結界か何かで一応警戒しておいて。じゃあ、ちょっと行ってくる。」


 皆に声をかけて、随分久しぶりにガラテアと出かける。

 折角なので、これまた久しぶりに2号を使ってみようか。

 最近は、移動にもタルタロスばっかりで2号はオブジェとなってたから、人形化をし直しつつ試運転もしておこう。


「折角だしさ、どっか行きたい所あったらついでに連れて行くぞ?」

「……別にいい。その代わり、アフロディーテ様の用事が終わった後、1時間くらい2人きりでゆっくりしたい。」

「その位なら構わないぞ。最近、あんまり一緒にいなかったしなー。」

「……うん。」


 そうして、ピュグマリオン公爵家の裏手の森の中を走る。

 この世界に来たばかりの頃、この森には色々とお世話になった。

 食い扶持のほとんどは、ここで手に入れたともいえる。

 ここで採れた動物や魔獣によって、俺とサロメの肉付きが良くなった。

 一応公爵家の人間だけど、栄養不足だったんだよなぁ。

 マジカスだったわあの一家!今度会ったら髪の毛全部剃ってやろうか!


 今夜は何か、美味しい肉を食べよう……。


「今夜のご飯は何食べたい?俺は肉の気分なんだけど。」

「……オムライス。主様がつくったやつ。」

「あー、あれねー。この世界でトマトケチャップを見つけた感動で、思わず作っちゃったんだよなぁ。」


 卵が結構お高かった覚えがある。

 女性陣には、その分好評だった。

 その時の事が忘れられないのか、今我が家では鶏を20羽程飼育していて、毎日卵料理を食べている。

 よし!帰った時夕食のメニューが確定していなければ、オムライスを作ることにしよう!


 夕食のメニューを決め、ルンルン気分でたどり着いた先には、汎用人型巨大兵器5号が横たわっていた。

 ところどころ削られた形跡はあるけれど、原型は留めているようだ。

 ガラテアの索敵魔術によると、半径5kmに人間の反応は無し。

 見た感じ、この辺りにはしばらく人は来ていないように思う。

 人間の真新しい足跡は全く見当たらない。


「これなら、思う存分アフロディーテ様に来てもらえそうだな。」

「……うん。喜ぶと思う。」

「よし、じゃあ準備頼む。」


 ガラテアにそう指示すると、何故か俺に抱き着いてきた。

 そしてそのまま動かない。


「どうした?」

「……アフロディーテ様を呼び出すには、この体勢がいいみたい。だから、抱きしめておいて。」

「そう言う事にしておくか。」

「……うん!」


 なんだろう、今日はあまえんぼか?

 愛い奴め。


 そのまま少し待っていると、不意にガラテアの纏う雰囲気が変わった。

 いや、これはきっとアフロディーテ様になったんだろう。

 そのため、抱きしめていた腕を離そうとすると、


「ダメよぉ。せっかく久しぶりに会えたのにぃ。このまま少し話しましょ?」


 ガラテアよりよっぽどあまえんぼだった。


「久しぶり。元気だったか?」

「まあまあねぇ。色んな神様にぃ、貴方の事で文句言われたけれどぉ、先に手を出したのは貴方たちじゃなぁい?って言い返してやってたわぁ。」

「面倒事が向こうからやってくるんだよね。」


 ほんとさ、こっちから仕掛けたのなんて魔猪の時くらいなんだよなぁ。

 ご飯食べてたら殺された彼には、いくら感謝してもしきれない。


「でもぉ、私、貴方にちょっと怒ってるのぉ。」

「え?俺なんかやっちゃった?」

「ヤっちゃってないから怒ってるのよぉ。ガラテアちゃんとぉ、いつになったらしてあげるのぉ?」

「いや……だってさ……俺だってもう嫁がいるし、そうそう簡単にはさ……。一応今度交渉してみようとは思ってるけども……。」

「ダメよぉ。今日ここでぇ、私とガラテアちゃんは妊娠しまぁす!」


 凄い宣言しやがったこの女神。

 羞恥心とかムードとか無いのか。


「なんでいきなりそんなフルスロットルなんだよ……。」

「男女の営みというのを体験してみたいからよぉ。それにぃ、ガラテアちゃんもすっごくお望みみたいだしぃ。」

「……いや、俺だって別に嫌なわけじゃないし?むしろやっていいならやりたいですけども?」


 女神様の指示なら仕方ないよね?帰ったら首切られたりしないよね?


「それにねぇ、他の神様からもお願いされているのよぉ。」

「お願い?何を?」

「神の完全な依り代を作る人間の因子をもった子供を増やせってしつこいのよぉ。」

「つまり、俺にバンバン子供を作れと?」

「簡単に言っちゃうとそうねぇ。もちろん、無理にとは言わないけれどぉ、私を妊娠させるのは絶対ねぇ?」


 ナナセも、恐らく1日かそこらで妊娠させてたはずなので、女神様ボディなら確定で妊娠させられるんだろう。

 既成事実を確定で用意できるとは、考え様によっては恐ろしい話だ。


「それにしてもぉ、貴方も奥手ねぇ。」

「奥手?こっちの世界に来て既に3人も妊娠させた俺が?」

「だってぇ、ちょっとだけ性欲が強くなる魔術をガラテアちゃんがよくかけてたのに、未だに3人にしか手を出していないんでしょう?」

「え?俺が最近アグレッシブだったのって、アフロディーテ様のせいじゃなくて、ガラテアのせいだったの?」


 衝撃の新事実!黒幕は味方の超美人魔術師だった!


「といってもぉ、あくまで少し背中を押す程度の効果しかないけれどねぇ。きっかけさえあればぁ、案外人は素直になるものなのよぉ。」

「流石愛の神様。含蓄があるな。俺はその辺りあんまり詳しくないからノリで言ってるけど。」

「まぁ、その私もまだ処女なんだけれどねぇ……。」


 アフロディーテ様もこんな表情するのか……。

 自嘲って神様もするんだなぁ……。


 神様同士でそう言うの無いとか前言ってたし、難しいもんだな。


「じゃあ、やりますか!」

「貴方ってぇ、言い訳する理由が見つかればぁ、割と思い切りいいわよねぇ……優しくお願いねぇ?」


 そりゃそうだろ!男の子だし!



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