表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械仕掛けの人形師  作者: 六轟
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/110

32:

章を分けられる機能に気がついたので、続き書きます。

「学園に行ってもらえないかのう?」

「なぜ?」


 姫様に呼ばれて王城に来てしまっているダロス君です。

 周りから姫様の後ろ盾だか派閥だかに入ってるとみられてるせいで、じゃあこの際そうなっちゃえばいいんじゃ!

 と便利なお助けキャラ化しています。

 ギャラも弾んでもらえるのでやりますけども。


「てか学園なんてあったのか?学生服着て歩いてる奴らなんてこっちの世界来てから見たこと無いんだが。」

「王都には無いのう。役職の無い貴族の子女の仕事で家庭教師というのが存在する以上、学校作るのも難しいらしい。」

「じゃあどこにあるんだ?」

「ここから南に列車で3日行った所にある学園都市『メーティス』にあるんじゃ。色々な種類の学園を一か所に纏めた結果街になっているといった感じじゃな。出展されている服飾店や飲食店も、その手の学園生が実地訓練する場として運営されておる。」


 なんでそんな問題起こりまくりそうな都市作り上げてんだ?

 こえーよ。

 あーでも、モンスターペアレントは入ってこれないのか?


「そこって住んでるのは子供だけなのか?」

「いや、普通に大人もおるぞ?教師はいるわけじゃし。」


 違ったわ。


「それで、なんでそんな所に俺を送り込みたいんだ?これから父親になろうとしてる奴を学生にする趣味がわからんぞ。」

「ディオーネー様からのご神託じゃ。おぬしを贈り込めとな。アフロディーテ様からも了解して頂いているらしい。」

「なんで俺に了解を頂いてくれないんだろう。」


 てかアフロディーテ様いたのか。

 接触してこないからもう興味なくなったのかと思ってた。

 照れてるのかな?


「それで、女神さまたちは俺に何させたいのさ?」

「戦争回避じゃと。ほらあれじゃ、神々の戦争ゲーム。」

「あー、あれなぁ。あの王子潰して解決した気になってたわ。」

「……まあ、妾が言うのもアレじゃが、あのアホがやらかしたせいで替わりにおぬしを送り込むことになったみたいじゃな。」

「とばっちりかぁ。」


 魅了持ちを送り込んで何させるんだよ。


 あれ?魅了させてナニするのか?


「魅了持ちはダメだろ!」

「まあ、学園なんてそんなもんってことかもしれんぞ。」

「爛れてない?」

「それは冗談としても、学園に通っているのは多くが貴族を始めとした権力者じゃ。そこの誰かしらを操って何かを企てる者がいてもおかしくないじゃろう。魅了でそれを防げ……って事だったんじゃろうが、学園ではなく国内で使い散らかしたんじゃなぁ……。」

「人選に問題があるな。」


 ほんと、なんであんなのを選んだんだか。

 案外面白そうだったとかその程度かもしれないけど。


「出発は1週間後。同行者は1名まで可じゃ。貴族が多い故使用人を連れて行く者が多いんじゃよ。」

「じゃあ嫁を連れて行きますね!」

「色ボケしとるのう。」


 実は、現時点でイレーヌとの間に子供ができている。

 本当に結婚してすぐ妊娠した。


 しかし、一方のサロメだけど、こちらとは子供が全然できず、一応という事で医者に見せた所、自然妊娠は難しいと言われてしまった。

 サロメ本人はすごく気にしていたけれど、出先でも妊娠を気にせずアレこれできると気持ちを切り替えて行こう……ってこの時は考えていたわけだけど。


 出発当日、駅のホームで。


「申し訳ございません……。」

「いやめでたい事だろ!嬉しいよ!」


 出発前日にサロメの妊娠が発覚した。

 相性が良かったのか、神の使徒として肉体が特殊なのかわからないけれど、イレーヌが妊娠してからは猿のようにやっていたからか。


 しかし、妊婦を使用人として連れて行くのも問題があるという事で、今回の依頼には不参加とする。


「心配しなくてもジブンが主様をちゃんとお守りするっスよ!サロメは元気な赤ちゃん産むことだけ考えてればいいんス!」

「はい……。」


 というわけで、替わりに一番常識がありそうなナナセを連れて行くことにした。

 戦力にもなるし、メイド服を着せれば十二分以上に有能な女性感がでるから。


「ナナセさん、ちょっとこちらへ!」

「なんスか?」


 そう言ってイレーヌがナナセを引っ張っていく。

 何を話しているのかわからないけれど、ナナセがちょっと赤くなってうつ向いている。

 百合か?百合展開なのか?


 話しが終わったのか2人が戻って来て、イレーヌからは手紙を渡される。


「これは、あちらで滞在する部屋についてから開けてくださいね?わかりましたね!」

「え、あ、はい。」


 なんだろう?今伝えるんじゃダメな秘密の指令か何かか?スパイっぽいな。

 そしてナナセは、相変わらず顔が赤い。目も合わせてくれない。



「じゃあ行ってくる!連休になったら帰ってくるから!体に気を付けて!」

「胸の大きい女の子がいても手を出しちゃダメですよ!」

「お気をつけて!」


 嫁2人に送り出されるって幸せだなぁ。

 1人にしておいた方が倫理上良い気もするけども、この国なら合法だから!

 でも、そんな手当たり次第におっぱい大きい女の子に目が行くと思われているのか……。

 いくけどさ……。


 因みに現在ガラテアは自宅待機中。てかいつも待機中。結界張り続けている。

 最近は、暇つぶしにフィギュア製作に手を出し始めたらしい。

 これが中々人気があって店に降ろすとすぐ売れる。

 いい娘に育ってくれたでぇ……。


 ディとフレイは、現在それぞれの愛機にのってこの列車と並走している。

 手を振ったり頭を振ったりして別れを惜しんでくれているようだ。

 ある程度の距離で引き返していった。

 最近成長の効果か少しずつ女性のボディラインになって来てちょっとどう対応すればわからなくなってきているのは秘密だ。


「さっきイレーヌから何言われたんだ?」

「……へ!?いや!その……その手紙に書いてあるっスから……。」


 ナナセはこんな具合だ。

 気になる。

 すごく気になる。

 だけど教えてくれないならしかたないか。


 今乗ってる列車だけど、動力は蒸気とか魔道具とか、そんなメカニカルな物ではない。

 もっと脳筋な乗り物だ。


「「「「ンモオオオオオオオオオアアア!ンモアアアアアアアアア!!!!!」」」」


 牛型の魔獣複数に引っ張らせている。

 見た目は非常に恐ろしいけれど、案外人間相手だと大人しくて飼いならせるとか。

 オスは労働力や肉になって、メスはミルクを生産したり肉になる。

 経済動物そのものだな……。

 エサは飼い葉とクズ魔石。

 欠点はうるさい事と臭い事と数時間に1回休憩を挟まないといけない事なんだとか。


「列車旅楽しんでおるかー?」

「どうだろう……牛の鳴き声がうるさくて浸れないわ。」

「じゃろう?まあ慣れれば癖になるぞ。」

「何でいるんだお姫様。」

「妾学生じゃもん。本当におぬしは妾のこと知らんのう……。」


 この人学生だったのか。

 ロリババア的な存在かと思ってた。


「あちらについたら妾が案内してやろう。メーティスは、歴史があって中々面白いぞ。なにせ王都より古くから存在するんじゃからなぁ。」

「へぇ。ってことは、この国が生まれる前からってことか?」

「今の王都は、遷都して新しくなった場所ってだけじゃよ。ただ、この国ができる前からあった可能性も否定はできんがのう。そこまで昔になると情報が神話と大差なくなってしまうんじゃ。」

「そういえば、この国って神聖とかついてたもんな。神様も実在するみたいだし、なんかすげーなー。」

「顕現した神と話をしておいてすげーなーで済ませられるのが妾には信じられないんじゃが……。」


 アフロディーテ様の事別に信仰してたわけでもないしな。

 ただちょっとすごく奇麗でおっぱい大きくて思わず結婚したくなる親戚のお姉さんみたいな感じ?


「……ところで、そっちの女子はどうしたんじゃ?顔真っ赤じゃぞ。」

「いや、出発間際にイレーヌと内緒話して以来こんなんなんだよ。」

「……ほぉ?」


 なるほど~?って感じの表情でニタニタする姫様。

 更に体を縮めるナナセ。

 見ている分には面白い。


 この列車は、寝台列車となっているようで、今俺たちが座っている席もそのままベッドになる。

 1室貸し切りとなっていて、俺とナナセはそれぞれ向かい合った席で寝て過ごしていた。

 因みに姫様は、王族など特別な客用のVIP車両を貸し切っているらしい。

 風呂までついてるんだってさ。

 いいなぁ……。


 一般客室の俺にできる事は、お湯を貰って来て体を拭くことくらい。

 ナナセは、代謝をほぼカットできるらしく、こういう時は便利だ。

 俺が服を脱いで体を拭いている時はちゃんと後ろを向いてくれるあたり、この娘はちゃんとプライバシーを尊重してくれてて嬉しい。

 耳まで真っ赤だけど、本当に風邪とかじゃないんだよな?



 3日後、やっと目的地である学園都市メーティスへ到着した。

 今度からは、列車じゃなくて飛行できる乗り物作ってこよう……。


 到着してから、姫様に都市内を簡単に案内してもらった。

 離れた所に護衛はいるようだけど、都市内であれば結構自由にさせて貰えてるらしい。

 ここの店はランチが美味いとか、個々の店は甘味が美味いとか、そんなことを一杯教えてもらう。

 全部食い物の店だった。


「ここが学園に外部から来た教師が借りられる家じゃな!おぬしたちは今日からこの一軒家で事が済むまで生活しておくれ!」

「へー。結構立派な建物だなぁ。」


 前世の日本にあった普通の一般住宅くらいのサイズ。レンガ造りでオシャレな感じ。


「今、教師っつったか?」

「つったが?」

「俺教師として赴任したの?」

「教師であり生徒じゃな。どっちとしても行動できた方が便利じゃろ?」

「いやそうかもしれないけど、俺教師の経験なんてないぞ?何教えればいいんだ?」

「なんでもいいんじゃよ。妾たちが通うアマルテア学園は、あらゆる分野の優秀な人材を世界中に排出しておるが、それだけに授業の種類も千差万別。生徒たちは、思い思いの教えを受けて好きな時に卒業試験を受け、旅立っていくんじゃ。じゃから教師は、好きな事を教えて、生徒たちに求められなければクビ、ってことじゃな。」

「シビアだねぇ。まあ俺は長くやる予定じゃないから、形だけでもやっておけばいいか。」

「そう言う事じゃよ。気負う必要はない。」


 色々考えてくれてるんだな姫様。

 俺がもう少し苦労しなくていいように考えてくれれば尚いい。


「じゃあ明日から頼むぞ。……正直、妾が頼りにできるの、おぬしくらいしかおらんでな。」

「ボッチか?」

「ちがうわい!高貴なオーラで皆が委縮するだけじゃ!」


 ボッチか。



 与えられた家に入ると、既に生活に困らない程度の準備はされているようで、多少の食材や魔石の用意がされている。

 これで風呂に入れるぞ!

 てか冷蔵庫あるじゃん!

 興奮するなぁ!


 そういえば、イレーヌから貰った手紙をさっそく読んでおくか。

 ラブレターとかではないんだろうけど何なんだろう?


 ――――――――――――――――――――

 ダロス様へ。

 この手紙を読んでいるという事は、無事現地に到着したという事でしょう。

 ひとまず、旅のご無事をお喜び申し上げます。

 ダロス様が学園に通うにあたり、私たちあなたの愛する妻2人が心配していることがございます。

 それは、ダロス様が欲求不満で、胸の大きい行きずりの女性に手を出さないかという事です。

 ダロス様はヘタレなので、めったな事ではそんなことをしないと信じておりますが、慣れない地で慣れないことをすると、ストレスで人はどうなるかわかったものではございません。

 というわけで、妥協案としてナナセさんと毎日なさってください。

 そうすれば、私たちの不安も解消され、皆丸く収まります。

 ナナセさんの事ならご心配なく。

 この手紙をアナタに渡す時点で、ナナセさんからは了承を頂いているので。

 少なくとも、私たちあなたを愛する女からみて、ナナセさんは貴方を愛しています。

 それは、家族の愛情などという物ではなく、女としてです。

 それを肝に銘じて、不埒な間違いを起こさないよう、彼女だけで我慢してください。

 容姿に関して、何も不満はないはずです。

 貴方の理想を体現した女性のはずですから。

 性格面でも、貴方がもっとも頼りにしている女性なので、問題は無いでしょう。

 ただし、避妊だけはするように。赴任先で妊娠してしまっては、ナナセさんが大変ですから。

 もし子供を作りたいのであれば、帰って来てからにしてください。

 こちらにいる間、ナナセさんはずっと私たちに遠慮していたので、これもいい機会だと思います。

 それでは、無事の帰還をお待ちしております。


 イレーヌ


 ――――――――――――――――――――



「…………。」


 思わずナナセを見てしまう。

 ナナセもこちらを見ていたようだが、すぐに目線を逸らす。


「……いいのか?正直、いいなら俺はやっちゃうぞ?」

「………………………………………そういうの、聞かないで察してほしいっス……。こっちは初めてなんスから…………。」


 え?いいの?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ