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MTーメタル・トルーパー戦記ー  作者: 蒼色ノ狐
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第50話 アルティメット・レックス

その男は言う。

力こそ正義であると。

 エリアAAAにてクーデター部隊との戦火を散らす中で皆がその二機との決闘に誰も近づこうとはしなかった。

 その黒と白の竜の名を冠したMTが織りなす剣劇に敵も味方も近づけなかった。

 《少尉、後方十三度。》

 「っ!!」

 後方に回り込まれたユーリがそのまま振り向かず背後にアイギスの指示の下ランチャーを撃ちカーミラの大剣を弾く。

 その勢いで距離を取り向き直した頃にはカーミラも大剣を構え直す。

 「今のは殺れたと思ったけれどね。」

 「フン、そんなに簡単にやられてたまるか。」

 そのような軽口もお互いに叩きながらも警戒は怠らない。

 ユーリは片手にランチャーとビームサーベルを構えながらカーミラの僅かな動きも見逃さないつもりであった。

 カーミラ側もユーリが気を緩めばすぐさま踏み込み真っ二つにするつもりであるしもちろん遠距離戦の心積もりでいた。

 それぞれユーリはビームサーベル一つとカーミラはマシンガン一丁を失ってはいるが互いに機体の損傷は低度であった。

 「それにしても条件を持ち出した私が言うのも何なのだけど、適当な所で切り上げると思ってたわ。」

 「意外かも知れんが約束は守る方でな。」

 「フーーン、それで部下が死んでも?」

 「…何か知ってるのか?」

 ユーリがそう聞くと笑うでもなく真面目な口調でカーミラは教える。

 「ええ、正直悪趣味だから記憶から抹消したいのだけどね。先に行った人たち大丈夫かしら。」


 「皆!大丈夫!?」

 謎の巨大MTから発せられた光が落ち着いた後、からうじて避けたティナが大声で皆に通信する。

 「聞こえてるからそんな大声で言わないで…。」

 最初にティナの通信に答えたのはドロシーであった。

 いつもの小言をいう気力はあるようであるがよく彼女のファフニールを見てみるとサブアームが一つ消し飛んでいる。

 「こっちも無事だ!テリーの方もどうやら意識はあるようだ!」

 アドルファスの声も聞こえテリーも命があると分かり一先ずホッとするティナであるが問題は解決していない。

 目の前には先ほどの光、恐らくビーム砲を撃ち出した巨大MTが進路を立ちふさがっている。

 するとその巨大MTからティナを越える大声が聞こえてくる。

 「ガハハハハハ!!やるではないか!!反逆者ども!!」

 「うるさ!誰だあんた!!」

 アドルファスが思わず突っ込んでしまうが心のうちは他の二人も同じことを思っていた。

 すると先ほどよりも大きな声で返答してくる。

 「フン!この俺を知らぬか愚か者め!いいだろう知らぬと言うのなら教えてやろう。我こそはセリオン様の懐刀であり未来のユースティアの提督であるライオ・V・ウォーロックである!!」

 (((全然知らない。)))

 またも三人の思考がシンクロする中、聞かれてもいないのに自分が乗っているMTの説明をしだすライオ。

 「そして!!この荘厳たるこのMTこそが真に我が偉大なるユースティアの全ての技術を使い何にも負けないMT!全長72mの巨体!!全身に付けられたビーム砲に貴様らの薄っぺらな装甲を切り裂くクロー!!全ての攻撃から守る強力なバリア!!かつて地上全てを統べた者から名をつけたこのMTの名は!!!【アルティメット・レックス】である!!フハハハハハ!!貴様らみたいな虫のようなMTとは違うまさに最強のMTである!!!!」

 「…いや、普通に条約違反だから。」

 MTの最大全長は33mとされている。

 それ以上は基本大量破壊兵器とされているので今ライオが乗っているのもMTと言えないのである。

 ドロシーが低い声でその事に突っ込むがライオは大声で笑う。

 「そのような事は些末なことよ!何故ならば!いずれユースティアが全てを制するのだから!!それ即ち世界のルールを変えるのも我ら次第ということである!!」

 「…結局自分たちの都合の悪い事を無視してるだけじゃねえか?」

 アドルファスの呟きに思わず頷くティナとドロシーだがライオの一人演説は続く。

 「さぁ!反逆者ども!!ここで器の大きい私から一つ提案だ!!今すぐ愚かな反逆行為をやめて我が配下になるのだ!!初撃を避けた貴様らを殺すのは実に惜しい!!ああ!なんと懐が深いのだ私は!!」

 「…一つだけ聞きたいことがあります。」

 すぐさま提案を蹴ろうとするアドルファスであったがそれを遮り質問をしたのはテリーであった。

 「あなたは…いや、セリオン様は何を目指しているのですか。」

 テリーの質問にライオは笑いながら答える。

 「愚かな事を聞く!無論ユースティアの旗をこの地上全てに立てることよ!!そのためには今までの策略だの政略だの弱腰な行為ではない!圧倒的な侵略による、力による支配が必要なのだ!!」

 「「「「……」」」」

 四人があまりの言い分に言葉を失っていると何を勘違いしたのかライオは上機嫌になる。

 「ガハハ!私の素晴らしい主張に言葉も無いようだな!さぁ降伏するならば今のうちであるぞ!!」

 四人は通信越しに目を合わせ声を揃えて言う。

 「「「「断る!!!」」」」

 それと同時にガトリング砲などを打ち込むがバリアに弾かれる。

 (っ!思っていたよりバリアが硬い!!)

 一斉に撃ち込めばあるいはというのが共通認識であったが甘かったようだ。

 一方で優しく手を差し伸べた(つもり)のライオは怒り心頭である。

 「フン!所詮は愚か者か!この崇高たる思想が理解出来んとは!」

 「なにが理想だ!自分たちが好き勝手やりたいだけだろうが!!」

 「そこら辺の盗賊とかよりたちが悪いです!!」

 「人々を顧みない貴方の様な人に付いて行く気はありません。」

 「…喋ったら耳が腐るからもう喋らないで。」

 四人それぞれが思う通りの反論をするとアルティメット・レックスが光り出す。

 全身に付けられたビーム砲が発射体勢に入ったようだ。

 「テリー、動けるか?」

 「ああ、バランスは悪いけど盾も半分あるし攻撃を防ぐぐらいはできる。」

 「…うん、だったらトンプソンは攻撃を防ぐことに集中して。私とハミルトンでとにかく撃ちまくるからコックス、あなたはそれのカバーを。」

 「了解!」

 ティナが元気よくコールするとアドルファスとテリーからも頷きが返される。

 「威光の前に消えるといい!!愚か者ども!!」

 「消えるのはそっちだ脳筋野郎!!」

 アドルファスの罵りを開始の合図としてアルティメット・レックスとの戦いが始まった。


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