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MTーメタル・トルーパー戦記ー  作者: 蒼色ノ狐
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第40話 再会は戦場にて

戦場での再会。

それは決別の時でもあった。

 ーフリーゼンという国は王女という立場から見ても豊かとは言えなかった。

とアーニャはこう語る。

 敵に襲われにくい雪が吹雪く断崖絶壁の国、だがそれは作物が育ちにくいという問題も抱えていた。

 そのようなアーニャの父、つまりは国王は善政にてよく国を纏めていた。

 そんな父の助けになればとアーニャ自身、そしてその兄弟たちも政治面や軍事面にて支えていた。

 国民も貧しいながらも笑顔で過ごしていた。

 ガスア帝国が宣戦布告するその時までは。

 宣戦布告された時はフリーゼンには余裕があった。

 天然の要塞を生かした防衛戦に持ち込み長期戦になれば大国でガスアであろうと撤退するであろう、と。

 だがガスアはフリーゼンが予想しないほどの国力と長期戦の構えをもって戦を行っていた。

 そして一つまた一つと落とされていく基地や拠点に投降者も相次ぎついにフリーゼンの王都にまでガスアは迫った。

 そしてフリーゼン王都が陥落する前の前日、国王はアーニャを呼び出しこう切り出した。

 ー信頼できるものを連れユースティアに行け。これは王命である。と

 当然アーニャは反対した逃げるぐらいなら自ら銃を持ち死を選ぶとまで言った。

 だが王の必死の説得により供を二十人ほどを連れアーニャはフリーゼンを離れた。

 そこからワケドニアに来るまでに一人また一人と命を散らしていきついにはマキシム一人となった。

 それでも彼女は散っていった者に心の奥で誓う。

 ーフリーゼンを必ず再興させる。そのためならば泥の水だろうとすすってみせる。


 「凄いですね王女様!合流してすぐに勉強だなんて!」

 エーデルワイスの食堂内にて小隊メンバーが集まり会話をしていた。

 会話のネタは当然船につくなり政治について勉強を始めたアーニャについてである。

 「…そうね。少し怖いぐらいね。」

 「そうだね彼女には鬼気迫るものを感じるよ。」

 ドロシーとテリーがティナの意見に同意する。

 「けどよぉ、船について真っ先にすることが政治のお勉強って王女様らしくねぇていうか。」

 アドルファスが食事を口に運びながら喋る。

 そんな様子に眉をひそめながらもドロシーは答える。

 「それだけ祖国復興に本気…っていうことでしょ。」

 「いやそれは分かるけどよぉ、普通安全な所ついたら一息つきたくなるだろう?気力がよく持つなと思ってな。」

 「それは単純な話だろ。彼女にとってはここもこれから行く先も一息つけるような場所じゃないってことさ。」

 アドルファスの疑問に答えたのは保安部隊と話すため席を外していたユーリであった。

 「隊長お帰りなさい!警備の打ち合わせですか!?」

 「うん、まぁそんなところだな。」

 ティナに曖昧にうなずきながら席に座る。

 事前に確保していた食事はすっかり冷めていた。

 「何か気になる事でも…?」

 「ああ、まあ艦長や保安部隊には伝えてるしお前らにも言っておくか。」

 ドロシーの言葉で覚悟を決め小隊のメンバーの耳を寄せさせる。

 「これは俺の勘ではあるんだが…。」

 その時艦内に警報が鳴り響く。

 「どうした!?」

 すぐさま格納庫に走りながら携帯端末にてオリビアに確認を取るユーリ。

 小隊のメンバーもそれに続く。

 《レーダー内に所属不明機が接近中!真っ直ぐこちらに近づいてきます!》

 「敵の数は!?」

 《10機ほどです!確実にこちらを標的にしている模様です!》

 「ありがとう、オリビア!」

 そう言って通信を切り走る事に集中する。

 「隊長!やはり所属不明機の目的は!」

 「多分王女様だろ。全員素早く片をつけるぞ!」


 突如始まった防衛線ではあったが発見が速かったのもあり弾が一発もエーデルワイスに当たる事無く防衛が出来ていたが。

 「こいつら!すばしっこい!」

 アドルファスが愚痴りながらも4機目を破壊する。

 所属不明機は小隊がくるなり攻撃も碌にせずこちらを掻きまわしている。

 《少尉、敵機のこの動きは…。》

 「ああ、まるで時間稼ぎのようだな。にしても何を…っ!」

 アイギスと話しているとユーリが振り向くと他の所属不明機とは違う赤いカラーリングのおそらくサラマンダーのカスタム機が大ナタを振り上げながらこちらに迫ってくる。

 すぐさまユーリもコンゴウを構え大ナタと鍔迫り合いの状態となる。

 「…その動きの癖はとても覚えがあるな。なぁレイ!」

 「…そう言うお前はあの時よりも強くなっている気がするなユーリ!」

 自分と対峙しているのが戦友であるレイであると確信したユーリはレイに問いただす。

 「随分と落ちぶれたもんだな!姫様狙いの山賊もどきになっているとはな!」

 「黙れ!本格的に軍の犬になり下がったお前に言われたくはない!忘れたか!使い捨てられた仲間の無念を!」

 「っ!そうやって吠えるだけなら犬でも山賊でも出来るよな!」

 「っ!普段は自虐的な癖に、減らず口を…!」

 「甘い!!」

 レイの一瞬の隙を尽きサラマンダーの腹に膝蹴りを喰らわす。

 「チッ!!…そろそろ限界か、撤退する!!」

 レイが信号弾を出すと残っていたMTと一緒に撤退する。

 「隊長、追撃しますか?」

 テリーが確認の通信をしてくる。

 それにユーリは大きく首を横に振りながら答える。

 「いや、それよりも気をつけろよあいつは無駄な事はしない。この襲撃他にも意味がありそうだぞ。」

 《大変です!ユーリ少尉!!》

 オリビアが慌てた様子で通信してくる。

 《アーニャ王女と護衛のマキシム氏が…消えました!!》

 「!!」

 

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