9 ふたたび、聖剣とともに
「聖剣、起動」
ごうっ!
俺が手にした聖剣ラスヴァールから黄金の輝きがあふれる。
「おお……君との適合値が3000を超えている――」
ラスヴァールが驚いたような声を上げる。
「歴代の勇者の誰よりも高い……圧倒的な数値だ」
「俺たちは最高の相棒だってことさ」
俺はニヤリとして聖剣を構えた。
「さあ、あいつを倒して、そのまま魔王軍の元へ殴り込みだ」
ざんっ!
一撃――だった。
俺が振り下ろした聖剣は、たったの一撃で天使兵器を両断し、消滅させる。
「な、なんだと……!?」
「鬼に金棒ってやつだ。俺が聖剣を手にした今、対等に立ち向かえる相手なんてこの世に存在しない。たとえ、それが魔王でもな」
俺はトーマに言い放った。
「魔王軍残党との最終決戦が迫っている。俺はもう行くよ」
「聖剣を持ち去るつもりか……!」
「ああ」
こちらをにらむトーマに、俺はうなずいた。
「世界を救うために」
俺は一緒に来たヴェイルを引き上げさせ、単身で空を飛んだ。
今から魔王軍残党の前線基地に向かうのだ。
「まだ事情が完全に飲みこめていないが、すでに魔王を討ち、その残党と最後の決戦をしようとしている……という認識でいいのか」
「一言で言うなら、そういうことだ。俺とお前で魔王軍との戦いに決着をつける」
俺はラスヴァールに言った。
「すでに魔王軍残党との決戦に備えて『戦団』――残党と戦う組織が集まっている。けど、そいつらには戦わせるつもりはない。余計な犠牲を出したくないからな」
「私と君だけで、魔王軍残党を倒す、と?」
「俺たちならできる」
俺は力強く言った。
さあ、ついに世界を完全に救うときが来たぞ。
正真正銘、最後の戦い――のはずだ。
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