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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第8章 黒の魔剣士

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6 除名処分

「あなたを『戦団』から除名することになったわ。カイン・ベルスト」


 一週間後、俺はべリアム将軍に呼び出され、そう言い渡された。


 彼女の後ろには数百人単位の兵が並んでいる。


 まるで俺を威圧するように。


「除名……ですか?」


 俺は眉をひそめる。

「リゼル教団からの申し入れがあったのよ。かの教団は我ら『戦団』の最大の出資者の一つ。上層部も無下にはできないわ」


 と、べリアム。


「リゼル教団……?」


 先日の、教団の神官であるトーマとのいざこざを思い出す。


 奴は去り際に、俺のことを教団に報告すると言っていた。


 その結果が、戦団への圧力と俺の除名勧告というわけか。


「待ってください。魔王軍残党との最終決戦が迫っています。今、俺がここを抜けるわけにはいかない」

「黙りなさい」


 べリアムがいきなり剣を抜いた。


 その切っ先を俺の前に突きつける。


「最終決戦が迫っているから、なおさらよ。魔族を滅ぼすための決戦で、味方の中に魔族を――あなたを引き入れるなど馬鹿げているわ」

「なっ……」

「とっとと消えなさい!」


 べリアムがさらに剣を突きつける。


 俺の喉に切っ先がわずかに触れた。


 ツー……。


 肌が裂け、血が流れだす。


「あら? 魔族でも血は赤いのね」


「な、何をやっているのですか、べリアム将軍!」


 一人の女魔術師が走ってきた。

 シリルだ。


「おやめください!」

「私はこの男に除名処分を申し渡しているだけ。引っ込んでもらおうかしら、シリル殿」


 べリアムがフンと鼻を鳴らす。


「いいえ、退けません」


 シリルは譲らない。


「カインは私たちの最大戦力です。しかも何度も人類を救った英雄ではありませんか」

「その英雄が実は魔族だった、と言っているのよ」

「何を馬鹿な――」

「リゼル教団からの申し出よ。彼は人類と敵対する存在になるかもしれない、と。少なくとも『戦団』の最終決戦のメンバーに加えるのは問題だと」


 べリアムが告げる。


「突然、何を言い出すの!? カインをメンバーから外す? リゼル教団の言いなりになってどうするのよ!」

「口を慎みなさい! 魔王軍との最終決戦において指揮を執るのは私よ。逆らうなら、あなたも作戦から外すわ」

「……!」


 シリルがべリアムをにらんだ。


 べリアムもシリルをにらんでいる。


 一触即発の空気だ――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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