4 【天使兵器】戦、決着
「【魔力増幅】【耐久強化】」
俺は補助魔法を同時発動し、魔力と防御力を高めた。
おんっ!
次の瞬間、【天使兵器】が光球を放った。
俺がいる高度300メートルくらいの位置までまっすぐに向かってくる。
ここで光球を受け止め、爆破し、地上への影響を抑える――。
要するに俺自身を囮にして、周囲への被害を防ぐ作戦だ。
ここまでは上手くいった。
あとは俺があの光球を抑えこめるかどうか、だ。
「耐えるしかないな」
ただ敵を倒すより、周囲に被害を出さずに戦うのは、ずっと難易度が高い
それでも――やれるのは、俺しかいない。
集中する。
向かってくる光球の軌道を正確に測る。
さらにタイミングも完璧に予測し、魔法を発動する。
「【バニッシャージェイル】」
俺は魔力を檻の形に整形し、光球をその中に閉じこめた。
「【消去】」
次の瞬間、光球は跡形もなく消滅する。
【バニッシャージェイル】。
消滅呪文の一種で、この『檻』の中に入ったものを【消去】のキーワードとともに消滅させられる。
効果範囲が狭いうえ、檻の中に対象を入れるという過程が必要なため、あまり実戦的な魔法じゃないが――今回みたいなケースでは役に立ってくれた。
おおおおんっ……。
地上で【天使兵器】が吠えた。
光球がいきなり消滅したことに戸惑っているのか、動きが止まっている。
「今しかない……!」
俺は急降下した。
二発目の光球を撃たれる前に、奴を破壊する――。
きゅいいいいいんっ。
ふたたび悪魔の口元に光の粒子が集まってきた。
やはり二発目を撃つ気か!?
「【祝福の矢】!」
その瞬間、誰かが黄金に輝く魔力の矢を放った。
ごうんっ!
頭部にそれを食らい、【天使兵器】がよろめく。
「行け、カイン!」
ターニャが叫んだ。
先ほどの一撃は、彼女からの援護射撃だったようだ。
「よくやった、ターニャ! あとは俺が――【ルーンブレード】!」
魔力を高め、剣の形にして具現化する。
さらに、
「【ルーンブレード】【ルーンブレード】【ルーンブレード】……」
二本、三本、四本――魔力剣を何重にも融合させ、爆発的に高める俺の切り札の一つを発動する。
そう、魔王にすら大ダメージを与えた一撃を――。
「【ルーンブレード・豪刃】!」
俺が放った多重魔力剣による斬撃は【天使兵器】の巨体をバターのように両断したのだった。
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