15 七魔将ヅェイド
空間が揺らめき、その向こうから人型のシルエットが現れた。
空間転移魔法。
高位の魔族にしか使えない高等魔術だ。
「お前は――」
「魔将ヅェイド」
そいつは、全身に包帯を巻いた細身の男……といった姿をしていた。
顔には、目の部分に赤い宝玉をはめ込んだ仮面をつけている。
魔王の側近にして最強の高位魔族たち――魔将。
俺は『二周目の世界』に来て早々に魔将の一人、ヴェイルを打ち倒した。
そして一年前の最終決戦では、残る六人の魔将を全滅させた。
だが――、
「生きていたのか」
そう、こいつは一年前に戦った六体の魔将の一人だ。
確かに倒したと思ったんだけど……。
「俺のウリは再生能力でね。なんとか俺だけが復活できた」
ヅェイドが語る。
「だが、仲間たちは全員死んだ。お前のせいで、な」
「逆恨みというわけか」
「ぬかせ。俺は貴様を殺す。仲間たちの無念を今こそ晴らす――」
ヅェイドが言いかけたそのとき、
「【ホーリーボム】!」
俺の隣でトーマが錫杖を掲げ、不意打ち気味に魔法を放った。
白い光弾がヅェイドに命中する。
ぐごうっ!
爆炎が弾けた。
「女神リゼルの力をお借りした聖なる一撃だ。直撃すれば、魔族など一たまりも――」
「ふん、この程度でいきがるなよ、小僧」
ヅェイドが笑う。
「なっ……!」
一方のトーマは愕然とした顔だ。
「高位魔族と戦うのは初めてか? お前が思っているよりも、俺たち魔将ははるかな高みにいる――」
「お、おのれ、我が教団の力を見せてやる! お前たち!」
他の神官たちがいっせいに右手を突き出した。
「【ホーリーボム】!」
全員がいっせいに光弾を放つ。
そのすべてがヅェイドに命中した。
おそらく、さっきの数倍――もしかしたら瞬間的には数十倍の威力に達しているかもしれない。
「ぬるいな」
だが、爆炎の向こうから現れたヅェイドは平然としていた。
身に付けている包帯には焦げ目一つない。
さすがに魔将というだけあって、鉄壁の魔法防御力を備えているようだった。
「おのれぇぇ……」
トーマは顔面蒼白だ。
どうやら自分たちの力に相当の自信があったみたいだけど、敵が魔将の一人では相手が悪かったというしかない。
「下がっていてくれ。俺がやる」
俺はトーマたちの前に出た。
「いくら英雄カイン殿とはいえ、さすがに一人じゃ――」
「問題ない」
俺は剣を構えた。
「【ルーンブレード】」
刀身を魔力でコーティングする。
「魔法剣か。ならば俺も――【ルーンブレード】」
ヅェイドも剣を抜いて、同じ術式を唱えた。
ヴンッ……!
俺とヅェイドの構えた剣が、それぞれまばゆい魔力の光を放っている。
魔法剣での勝負、というわけか。
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