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魔王よりも強い【荷物持ち】は滅亡した世界から過去に戻り、『二周目の世界』を圧倒的な強さで無双する。  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第7章 一年後、切り開いた未来

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13 勇者の称号

 勇者カイン・ベルスト――。


 コーネリアの言葉を俺は半ば放心状態で聞いていた。


 まさか、俺が……勇者パーティの荷物持ちに過ぎなかった、この俺が。

 一国の君主から勇者と呼ばれるとは。


「私はあなたに対し、勇者の称号を与えるべきだと他国に働きかけようと思っています。あなたはそれだけのことを成し遂げたのですから」


 コーネリアが微笑む。


「すべては――魔王軍残党との最終決戦が終結した後に」

「私ごときにもったいないお言葉です、陛下」


 俺は恭しく一礼した。


「よろしければ」


 コーネリアが俺に顔を近づけた。


「この次は――二人で会うときには『コーネリア』とお呼びください、カイン殿」

「えっ……」

「ふふ、あなたとはもっとお近づきになりたいですね」


 その微笑みは、やけに妖艶に見えた。




「カイン様!」


 コーネリアが去った後、入れ替わるようにしてアリシアがやって来た。


「よかった……やっとお話しできます」


 周囲を見回しながら、アリシアが俺の側まで来る。


「カイン様は大人気だから……一緒にお話しする機会を得るだけで一苦労です」

「私を探してくださったのですか? 申し訳ありません、姫」

「ふふ、でも今はこうして話せていますから。嬉しいです、あたし」

「私もですよ。姫と言葉を交わせる幸運と幸福を噛みしめています」


 俺はアリシアに微笑んだ。


 本当は――『一周目』のときのような関係に戻りたい。

 英雄と姫じゃなく、ただの男と女として話したい。


 でも、それは無理なんだ。


 すべては失われ、俺たちは違う立場で、違う出会い方をした。

 もうあのころのような関係にはなれない。


 望んじゃいけなんだ。


 今のアリシアには――今の幸せがあるはずだから。


「カイン様?」


 アリシアがキョトンとした顔で首を傾げた。


「どうかなさいましたか? あたしの顔をジッと見て……」

「い、いえ」


 俺は慌てて首を振った。


「魔王軍との戦いがすべて終わったら――きっとカイン様は世界中から英雄として表彰されると思います。領地をもらい、あるいはどこかの国の王にな

るかもしれませんね……」


 アリシアが言った。


「俺が王に……!?」


 さすがに驚いて、素の態度になってしまった。

「ふふ、別におかしな話ではないでしょう? あるいはどこかの国の王女と結婚して、王の座を継ぐとか……」

「王女と結婚……」


 つぶやいたところでアリシアと視線が合った。


「……あたしの国でもそういった話は出ているようですよ?」

「アリシア……様」


 急に心臓が早鐘を打ち始めた。


 それは、つまり――。

 俺がアリシアと結婚して次代の国王になる、っていうことか?


 自分が王になる、なんて考えたこともなかった。


 そもそも、こんな風に英雄扱いされる未来さえ、想像していなかったからな。


 俺が考えていたことは、ただ『一周目』で守れなかった世界を、今度こそ守りたいという気持ちだけ。


 後悔を払拭し、過去を乗り越える――俺の中に在ったのは、それだけだ。


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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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