6 手に入れたいものは……
俺はその場に立ち尽くしていた。
ガードナーは、どこかに姿を消してしまった。
一体、なぜ彼が魔王の力らしきものを身に付けていたのか。
彼を転移させたのは何者なのか。
全部、謎のままだ。
「ガードナー、お前は……」
どうにも嫌な予感がした。
※
気が付くと、ガードナーは巨大なホールの中にいた。
「どこだ、ここは……?」
戸惑い気味に周囲を見回す。
薄暗い室内を、無数のロウソクの炎が赤く照らしていた。
「確か、俺はカインと戦っている途中で――」
「はい、私たちの転移魔法でここにお連れしました、ガードナー様」
ホールの入り口から誰かが歩いてくる。
「――お前は」
背筋がゾクリとするような悪寒が走る。
この感覚が走るのは、魔族と向き合った時だけだ。
それも、かなり力を持った――。
「高位魔族か」
「いかにも」
現れたのは小柄な青年だった。
「現在の魔王軍において魔将を務めておりますルイグと申します、ガードナー様」
青年が一礼した。
魔将――。
かつて魔王の側近に七体の最強の魔族たち……『七魔将』がいたが、その地位を継ぐ者ということだろうか。
「魔族が俺になんの用だ」
ガードナーは身構えた。
カインとの戦いで斧を失ってしまったが、彼には両の拳がある。
ガードナーは格闘においても超一流なのだ。
「私は敵ではありませんよ、ガードナー様」
ルイグがまた一礼する。
「魔王軍残党じゃないのか?」
「その通りです」
「なら、俺の敵だ」
ガードナーがルイグをにらむ。
「そうでしょうか?」
彼は平然としていた。
「そもそも、あなたの目的は何ですか、ガードナー様? 世界平和ですか? 人々の愛と自由を守ることですか?」
「……なんだと」
「どちらも違う。ふふ、あなたの目的は――ずばり、強さだけです」
「…………」
ルイグの言葉に、ガードナーは無言で返した。
とはいえ、内心ではうなずいている。
確かに、世界平和に興味はなかった。
一年前のカインの戦いぶりは、ガードナーにとってショックでしかなかった。
世界最強を自負していた自分よりも、はるかに高みに立つ戦士がいたのだ。
しかも、その差はちょっとやそっとで詰められるようなものではない。
仮に1000年修行したところで、ガードナーはカインを超えられないだろう。
そんなカインの強さを見て以来、彼は強さに取りつかれるようになった。
「あなたを――魔族に迎え入れたく思います」
ルイグが唐突に切り出した。
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